岐阜県美術館「シャガール展」

9月10日(月)、岐阜県美術館の
「マルク・シャガール―愛をめぐる追想」を見てきました。


え？月曜日に？
岐阜県美術館の後援会員を対象に、年に一度休館日に、
解説を聞きながらの特別鑑賞会があるんです。

同伴者1名まで一緒に行けるってことだったので、
友人を誘って出かけました。

美術館の建物にはシャガール展の垂れ幕が。
（今までこんな垂れ幕見たことがないような‥‥）
手前のマイヨール《地中海》の像のまわりの生垣を
撤去する工事をこの日していたんですが、どう変えるのかな？

13時からだったので、少し前に着いて受付をすませ、
ロビーで待っていたのですが、大勢の人が来ているのに驚きました。
前回は現代美術だったせいか、こんなに多くなかったです。

美術館のスタッフたちも驚きだったようで、
館長さんから「さすがシャガールの人気はすごい」って挨拶がありました。
担当学芸員さんの案内で、展示室に入ったのですが、
結構広い最初の部屋が、ほぼ満員状態！

案内状にあった「ゆっくりとご鑑賞」って雰囲気ではなかったですが、
さすが、学芸員さんの解説を聞くと、また違った鑑賞できて興味深かったです。

人気のシャガールで、もちろん私もそれなりに好きですが、
実は私、シャガール展が岐阜県美術館でタダで見れるのでなかったら行かなかったかも。
だって、版画作品なども多いから、あちこちの美術館で見られるし、
学芸員さんも「シャガール展が開かれない年はない」って言われてましたし、
今もほぼ同じ期間で、名古屋の松坂屋美術館で「マルク・シャガール展」
やってるし‥‥（こちらはタピストリーが中心だとか）
それに、どの絵を見ても、「あぁ、シャガールだ」って。

岐阜県美術館のシャガール展では、描かれているモチーフから、
第1章 村、祭り、音楽
第2章 人、動物‥‥重なり合う世界
第3章 聖書、結婚の神秘‥‥シャガールにおける宗教性
第4章 恋人たちと花束
という構成になっていました。
岐阜県美術館の所蔵作品や日本の美術館の作品、そして
今回の展覧会、ジュネーブの個人蔵って油彩画が結構来てました。

第1章では、生まれたヴィテブスクの村を描いた作品、村の祭りや
ヴァイオリン弾きなど。
《逆さ世界のヴァイオリン弾き》（チラシ裏面左）
吉野石膏株式会社蔵（山県美術館寄託）
鮮やかな赤がとても美しい絵。
逆さになった家や花瓶、空中を飛ぶ人など、幻想的で素敵。
でもシャガールは自分の絵を「幻想的」って言われるのを嫌ったとか。
自分の絵はリアルだとか言ってたそうで。

「10月8日までの展示なのでよく見ておいてください」って言われた
《二つの花束》（チラシ裏面右下）埼玉県立近代美術館蔵
一見、シャガールの絵にしては色彩がシック。初期の1925年の制作
でも言われて気がついたけど、右の花瓶が乗っているのは人の頭だし、
テーブルかと思っていたのは家の屋根だし。
やっぱりシャガール、面白いです。

隣の小さな部屋には岐阜県美術館所蔵の版画集『サーカス』

そして雄鶏やロバなど、繰り返し描かれる動物たち

淡色エッチングの版画集『聖書』名古屋市美術館蔵
ユダヤ人として、敬虔なユダヤ教徒の家に生まれたシャガールは、
旧約聖書の場面をよく描いたが、新約聖書も重要だと認めていたとか。

そして、抱き合う恋人たちの絵
ユダヤ人のシャガールは第二次世界大戦時、ナチスの迫害から逃れて
アメリカに渡るが、1944年、妻ベラが、感染症であっけなく世を去ると、
その後数ヶ月は絵も描けなかったという話に、
なんて奥さんを愛していたんでしょうって。
妻ベラを前にして作品を描いている写真もありましたし、
ベラから花束が出ているような絵も。

チラシ表面に使われている三重県立美術館蔵の《枝》
いかにもシャガールの愛の世界っていう大きな絵。
素敵！！ブルーが美しいです。

やっぱり、シャガールいいなぁー！！
見ててハッピーな気分になってきます。


岐阜県美術館の多目的ホールには、記念撮影ができるように
ハートのオブジェ(?)が置かれてました。
愛のメッセージを書いて貼り付けられる場所もありました。

岐阜県美術館のHP: http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/

オマケ・松坂屋美術館「シャガール展」のチラシ


松坂屋美術館のHP: http://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/museum/