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Channel: 猫と花の日々
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一宮市三岸節子記念美術館「森田りえ子展」

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11月8日(土)、パートが休みだったので、友人と
一宮市三岸節子記念美術館へ行きました。

「特別展 きよけく 森田りえ子展
 花と人、生命(いのち)に潜む美しきもの」をやっています。
MoritaRieko-1.jpg

この展覧会、9月28日(日)に、岐阜市の「ギャラリー小さい家」へ
「月をめぐる九つの物語」を見に行った時に、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-10-03
展覧会の案内とか置いてある中にこのチラシがあって、
「あら、素敵な絵! 割引券もある」と手に取ったら、
なんとそれが招待券で、ラッキー!! と。

で、8日(土)には、森田りえ子氏と華道「未生流笹岡」家元・笹岡隆甫氏との
対談のイベントもあるそうなので、それも聞いてきましょうと。
対談が14時(開場13:30)からだったので、その前に展覧会を見ました。
MoritaRieko-2.jpg

2階が特別展の会場になっています。

最初に1986年に第一回川端龍子賞展大賞を受賞した《白日》(チラシ裏下段中)
糸菊を画面いっぱいに描いた絵。
後で対談で聞いた話では、
それまで、花だけを描いた絵が大賞を取るようなことはなかったと。
川端龍子賞は第一回目ということと、当時としては賞金が破格の300万円で、
大変な競争率だったことで、この作品はとても注目されたそう。
(対談の笹岡隆甫氏はとても話し上手・聞き上手で、
賞金は何に使ったんですか?と。
イタリア・フランスへ取材(スケッチ)旅行に行ったそうです。)

そして、花を描いた作品が並びます。
牡丹を描いた二曲一双の屏風(1992年)。この作品については、
まだ余白を残すことができずに、画面いっぱいに描きすぎていると。
それ聞いて、あぁそうかー、よく描けているけど、
なんかイマイチ魅力が‥‥とか感じたのはそういうことだったのかーと。

金屏風に南国の花を描いた絵は、
金地に南国の鮮やかな花の生命力が溢れかえるようで、とても素敵!!

尾形光琳の燕子花図屏風を思わせる四曲一双の《花菖蒲》(チラシ裏面中段)
と、金屏風の作品が並んで豪華です。
後の対談で、金地に描くのは眩しくて描きにくいと聞きました。

そして、豪華な観賞用の菊を描いた《秋蒼穹》(チラシ裏面上段)

《王禅寺丸柿樹》や《春秋屏風春・秋》など、伝統的な日本画って感じで、
装飾的で、琳派を思わせる豪華なところも素敵だなと。

そして、森田りえ子氏のもう一つのテーマ、人物画では、
1979年制作の《プラットフォーム》や、1980年の《ティーンエイジ》、
1981年の《街の灯》などの初期の作品から、
四曲一双の大作《光の入江》1996年‥‥バックは香港の街かな?

チラシ表面に使われている《粧Ⅱ》と、チラシでは小さく扱われているけど、
実際は《粧Ⅱ》と同じ大きさの、腰巻姿の《粧Ⅰ》と、長襦袢姿の《粧Ⅲ》が
並んで展示されていたのは迫力ありました。
特に舞妓さんの正装姿の着物の文様や、
金箔のバックに松や四季の花を描いた扇面を描いた《粧Ⅱ》はすごく豪華!!
対談の後の質問に答えて、この絵を描くのには3ヶ月くらいかかったと。
舞妓さんが装っていく姿を順に描いた三部作かと思ったけど、
制作年を見たら、《粧Ⅱ》が2002年で、他が2004年でした。

その隣に展示してあった舞妓さんが桜の下に立っている《花の下》素敵!!
これは素描も展示してあって、衣装の色とか模様とか違っていたりして
興味深かった。

別室の展示では、エジプトやギリシャの彫刻や、阿修羅像のイメージも重なる
3枚組の《自由の翼》2002年 バックの金やプラチナ箔などの装飾的なところとか、
なんか自由で面白いなぁと。

南国のエキゾチックな女性を描いた《バリの踊り娘》1995年
(チケットに使われています)
MoritaRieko-5.jpg

《島の女―祭りの朝―》1993年は、それぞれが身にまとっている
バティックの細かい文様や装飾具が細かに描き出されていて素敵。
この間のバティックの展示を思い出しました。

万葉の女性たちを描いた《撫子》2000年(チラシ裏面下段左)
中央の女性のスカート(裳)の撫子の文様が素敵。
その他の文様も細かに描かれているなと。
素描も展示されていました。

でも、最新作(2009年なので最新って程でもない?)の
《KAWAII》シリーズはどうなのかなぁ?? (チラシ裏面下段右)
原宿あたりにたむろしているようなデコラティブに装った少女を描いたシリーズ。
竹下通りの洋服屋さんで、洋服や雑貨を買ってきて描いたそう。
ちょっと戸惑いも‥‥現代の浮世絵ってコト?
ケータイやせんとくんのストラップとか、スグに古くなっちゃうよね。

それから1階の三岸節子常設展示室へ。
新収蔵の《ラオラオーラの城》という作品が良かった!!
それと《アルカディアの赤い屋根(ガヂスにて)》も好き。

‥‥実は今まで三岸節子さんの作品の良さ、あまりわからなかったんですよね。
でも、見慣れた?のか、今回、ダイナミックに塗られた色の美しさ(特に赤)とか
いいなと。

土蔵展示室は今までも何度か見てますが、
三岸節子さんの制作現場を見ているようでいいですね。

常設展示室でゆっくりしてロビーに出たら、まだ1時少し過ぎくらいだというのに、
対談の会場の講義室前に行列ができていてビックリ。
私たちも並んで、1時半の開場と同時に入りましたが、
ほぼ全席が埋まってしまいました。定員100名だとのことでしたが、
追加の椅子も出されていました。
MoritaRieko-3.jpg
お二人とも京都在住の方で、着物で登場されました。

森田りえ子氏の着物はご自分のデザイン?
展示されていた《春秋屏風》の秋の絵だーと。

最初に映像でそれぞれの作品の紹介。
森田りえ子氏の作品は、展示されている絵の他に、
金閣寺の本堂杉戸絵も紹介され、
杉の木目を生かして菊などが描かれているのが良かった。

笹岡隆甫氏は、森田りえ子氏の絵の前に生けた花や、
舞台での生花のパフォーマンスや、日舞や能とのコラボなど、
多彩な活動をされているよう。前にも書いたけど、とても話し上手・聞き上手で、
映像がうまく出なかった時なども、如才なく別の話をされたりと、
司会も兼ねられているかのよう。

華道と花の絵の共通点、トリミングのこととか、面白かった。

展覧会を海外でもやっているけど、反応はどうですか?との質問に、
フランスでは花の絵がすごく評判が良くて、
オマーンとの国交40周年を記念した日本政府主催の「森田りえ子展」では、
金屏風がすごくウケたって話も面白かった。

11月26日(水)~12月2日(火)に、松坂屋名古屋店 南館6階 美術画廊で、
「森田りえ子 日本画展」が開催されるとのこと(対談の会場で案内をもらった)
MoritaRieko-4.jpg
表千家茶道雑誌の表紙を飾った花の絵を中心に展示されるそう。

一宮市三岸節子記念美術館
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垣根に山茶花が咲いていました。
2014-11-8-(13).jpg
2014-11-8-(16).jpg

一宮市三岸節子記念美術館: http://s-migishi.com/
森田りえ子オフィシャルサイト: http://www.morita-rieko.com/


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