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岐阜県現代陶芸美術館「1964」展

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1月14日(日)、岐阜県現代陶芸美術館へ行きました。
「1964
 証言―現代国際陶芸展の衝撃」という企画展をやっています。
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この展覧会、1月7日放送のNHK日曜美術館アートシーンでも取り上げられたり、
ツイッターでも好意的なつぶやきが流れてきていまして、
1964年当時「日本陶芸の敗北」と評されるほどの衝撃を、
日本の陶芸界に与えたという海外の作品はどんなものなのか?って
見に行きました。

でも、私の印象としては、
あれ?? 意外と端正な作品が並んでいるけど‥‥だったんですが。

もちろん、ピーター・ヴォーコスや、サム・フランシスの
自由(?)な作品もあったけど、壺や皿などの実用的で、そんなに大きくない
作品が多くて、私にはどこが衝撃だったのか??って。

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1月14日(日)14:00-15:00「当館学芸員が展示を詳しく解説します」
という、スライドレクチャーがあるとのことだったので、
その前に一通り展示を見れたら‥‥なーんて思ってたのですが、
やっぱり私のことなので(自分一人で、車で出かけるとなると、
ついズルズルと遅くなっちゃいますー)着いたのが、2時少し前。
岐阜県美術館の後援会員証を提示して入ります。
(岐阜県美術館の後援会員は、岐阜県現代陶芸美術館の企画展も1回ずつ
見られるんですよ!! 年会費3,000円はなんておトクなんでしょう!!)

もう10分もなかったんですが、ちょっとだけ会場を見て、それから
スライドレクチャーが行われる部屋へ。

この展覧会の担当学芸員である花井素子さんが解説してくださいました。

残念なことに、ちょっと聞き取りづらかったかなー。
私、近年の健康診断で、特に左耳が聞こえていないって言われるんですよね。
耳鼻科に行ったら、ちょっと早いけど、老化現象でしょうって(T.T)
でも、1964年に開催された「現代国際陶芸展」がどんな展覧会だったのか、
知ることができました。
日本ではじめて海外の現代陶芸を紹介した展覧会であったと。
19か国(日本含む)の約200点(うち、日本人作家104名)が、
国立近代美術館(東京)、石橋美術館(久留米)、
国立近代美術館京都分館(京都)、愛知県文化会館美術館(名古屋)と
巡回したそう。
名古屋での展示はわずか1週間ほどだったそうですが。

それまで海外の陶芸についてはほとんど知らなかった、
陶芸は日本が一番って思ってた人たちには、これら
海外の作家の作品は驚きだったのかなぁって。

そんな海外の出品作品は、陶芸家・小山冨士夫が各国を回って陶芸家に会い、
作品の選定、購入または借用の打ち合わせをして選んだのだそう。
そんな小山冨士夫の旅の記録も展示されていました。

今回展示されていた海外の作品は、
4点を除く62点全てが京都国立近代美術館所蔵のもの。
「現代国際陶芸展」に出品された海外作品の多くが
京都国立近代美術館に収蔵されているのだそう。

私がチラシやアートシーンから想像したのは、
アメリカの巨大な陶芸作品が当時衝撃だったのか?って思ったんですが、
――NHK日曜美術館アートシーンで、岐阜県現代陶芸美術館所蔵の
ジョン・メイスン《直立する彫刻》が映っていたので――
1964年の展覧会には、もっと小さな作品が展示されていたのだそう。
これは、大きな作品の輸送にすごくお金がかかるので、
スライドレクチャーで聞いた話だと、当時のお金で40万円ほどかかるとのことで、
主催の朝日新聞社の許可が下りなかったのだそう。

なので、壺とか皿とか、実用的で、わりとシンプルで
シャープなものが多いような気がしました。
このあたりは選定した小山冨士夫の審美眼なのかなぁとも。

私はイタリアのグイド・ガンボーネの作品がいいなと見ました。

展示後半は日本の作家。
「現代国際陶芸展」には日本人作家104名が1点ずつ出品しましたが、
その選定は、展覧会の実行委員たちの投票によって行われたのだそう。

今回の展覧会には、45名の45点が展示されていました。
うち、実際に「現代国際陶芸展」に出品されたものが18点、
その他は、出品作に近い作品が展示されていました。
(出品作は写真で提示されていました)

「現代国際陶芸展」が当時そんなに衝撃だったのは、
日本では海外のような自由な作品はまだ作られていなかったからなのかと
思ったんですが、八木一夫や山田光が「走泥社」を結成して、
前衛陶芸を始めたのが1948年なので、1964年頃には結構自由な
造形も出てきているんですよね。「現代国際陶芸展」にも
山田光の作品《塔》(チラシ表面右上)とかも出品されていますし。

私は浅井礼二郎《昆虫文三連花器》が面白いと見ました。

私は陶芸には詳しくないので――ここに出ている方々、
それぞれ大家なんでしょうが、半分もわかりません――
技術的にどんなにスゴイのか、イマイチわからないんですよね。
だから、日本と海外の陶芸の作品の違いってのも
あまり感じることができませんでしたし、
どちらかっていうと、日本の作家たちの作品の方が
面白いようにも感じたんですが‥‥
日本人の作品の方が大きいってのもその一因かもしれません。

スライドレクチャーで、現代国際陶芸展の会場写真を見せてもらった
のですが、ブロックの上に板を載せて作品を展示しているのには
(カッコイイってやっているんだろうけど)
半世紀以上も前のことなんだなぁって感慨を持ってしまいました。


さて、ギャラリーⅠを出て、所蔵品を中心とした展示が行われている
ギャラリーⅡへ。

「お茶の時間」
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マイセンの、こんなの洗えないじゃん!ってツッコミたくなる
繊細な花のレリーフがついたカップ&ソーサーをはじめ、
セーヴル、ミントン、ロイヤル・ウースター‥‥西洋の名窯の
華麗なカップ&ソーサーが並びます。
マイセンのティーセット「インドの華」が気に入りました。

そして、多治見市美濃焼ミュージアム「幻のナカヤマ」展で知った
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27
「美濃の大倉陶園」と称されるほどの評価を一代で達成したという
中山保夫のデザインしたカップはとても素敵!!
私の好みはやっぱりナカヤマのカップかなぁー

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階段を上がったB室に展示されていた抹茶茶碗。
人間国宝の作る萩焼や志野の茶碗はすごいんでしょうが、
こういうワビサビの世界? 私にはイマイチ価値がわかりません。でも
安食ひろ《塩釉椀 平成婆娑羅》(チラシ裏面下段中)の
装飾的な茶碗は素敵だと見ました。

そして、このカップでコーヒーを飲んでみたいって思ったのが、
窓際にあった熊倉順吉《深海緑コーヒーセット》
艶のあるトロリとした深海緑色?がいい感じでした。

最後のD室
ルーシー・リー/ハンス・コパー《ティー・サービス》(チラシ裏面左上)は
もちろんよかったですが、

リチャード・ノトキン《ピラミッド型頭蓋骨のティーポット》
この遊び心、気に入りました。

ロシア・アヴァンギャルドのマレーヴィチがデザインした
ブッとんだティーセット(この作品は以前にもここの展示で見てますけど)も
展示されていましたが、

ホールに展示されていたロトチェンコのデザインを復元した
ティーセット。
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岐阜県現代陶芸美術館のあるセラミックパークMINO、
日陰には雪が残っています。

鯉江良二《雨/陶←→土》の周辺にも雪が残っています。
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お茶室の前の池の氷の上に残った雪
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日曜でしたが、今日は空いていました。
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せっかくなので「1964」展の図録買いました。1,200円
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そして、前回来た時にショップが閉まってしまい買えなかった
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-10-29
「引き継がれるコレクター魂」展の図録も買いました。2,000円
この展覧会、とにかく量がすごかったんですよね!!
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岐阜県現代陶芸美術館: http://www.cpm-gifu.jp/museum/

岐阜県美術館「第9回 円空大賞展」

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2月4日(日)岐阜県美術館へ行きました。

第9回目となる円空大賞展が始まっていたからです。
毎回、斬新な現代美術が紹介されているので楽しみなんですが、

今回、チラシ表面の迫力ある画像に「おおっ!」ってなりました。
円空大賞を受賞したエンリケ・オリベイラさんの作品。
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そのエンリケ・オリベイラさんが、岐阜県美術館の
多目的ホールで滞在制作されている様子が、
ツイッターで流れてきていたので、ワクワクしていました。
岐阜県美術館公式ツイッター: https://twitter.com/gifukenbi

実際に見ると、その大きさに圧倒されます。高さ524cm
エンリケ・オリベイラ《道半ば》
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ブラジルの伝統的建材である合板の廃材をつなぎ合わせ空間を覆いつくすような、 躍動的で生命観あふれる作品」(チラシ裏面より)
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モニタで、滞在制作の様子が映されていて興味深かったです。
雪で真っ白になった岐阜県美術館の庭ではしゃぐエンリケさんたちの姿も
映っていました。(↓YouTubeで公開されています)
https://youtu.be/A4if_GaGYWU

さて、岐阜県美術館の後援会員証を提示して展示室へ入ると、
エンリケ・オリベイラ《守り人》が屹立しています。
こちらもここ岐阜県美術館で滞在制作された作品。

それと対峙するかのように円空仏も展示されています。

次は、円空賞の庄司達さんの展示。
まずミニサイズの作品や写真で経歴が紹介されています。
布の張力や質感、重力等の力学的作用を活用し、非日常的な空間を創り上げる
庄司達さんの作品、私も愛知県美術館や名古屋市美術館そして、
2014年、江南のギャラリー数寄で見たことがあります。

ギャラリー数寄「庄司達展」のこと
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-05-10

そして次の部屋へ進むと!!
庄司達《 Navigation-Arch No.10 》
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この作品の間を通り抜けないと次の展示室へ行けません!
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ちょっとドキドキする体験です。
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次が円空賞・佐藤昌宏さんの作品
描き込みがすごいです。細かい!! 描かれているのはグロいというか、
ちょっと生理的嫌悪を感じてしまうようなところもあるけど、
ここまで描き込まれると、もう圧倒されるしかないですね。
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墨と樹脂テンペラによる混合技法を駆使し、人間と動植物の太古からの生命の営みを想起させる異界を描く
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円空賞・土屋仁応さんの作品は、とても神秘的な雰囲気で、
展示室全体の雰囲気も素敵!
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実在する小動物や、ユニコーン、人魚などの架空のいきものをモチーフに神秘的で生命感にあふれる木彫作品
土屋仁応《麒麟》2018年
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土屋仁応《青い人魚》2009年
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円空賞・宮本勉さんの展示室
実は一見、小学生の作品が並んでいるのかって思ってしまった。
陶芸、木彫、紙粘土などジャンルや既成概念にとらわれることなく、 自由自在な精神で次々と新しい造形を創り出す
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考えてみれば、円空の粗削りだけど自由で独創的な
制作の精神に通じるものがあるのかなぁと。
紙コップやトイレットペーパーの芯を使った作品とか、
自由な発想で面白かった。
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所蔵品展の最初の部屋は「世紀末のパリ」というテーマで、
ルドンの版画集『聖ヨハネ黙示録』などが展示されていました。

そしてっ!! ミュシャの油彩画《花飾りを付けた娘》をまた見ることができました!!

この作品、寄託作品で、2014年の所蔵品展で見た時に驚いたんですよね!!
(↓こちらの記事に印象をお絵かきまでしてしまった)
岐阜県美術館「彫刻のさんぽ道」(所蔵品展)その2
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-05-20

資料として展示されていた『パリ・イリュストレ』1884年の雑誌に、
山本芳翠の挿絵が載っているのも興味深く見ました。

次の展示室1-B・Cが「開館35周年記念 山本芳翠 展」
岐阜県美術館が所蔵する代表作で重要文化財《裸婦》1880頃や、
《浦島図》1893-95頃 などの油彩画はもちろんですが、
墨画淡彩の《人間万事塞翁が馬》1895頃 には、
芳翠、水墨画も上手い(って言ったら失礼だけど)んだ!!って。

そして山本芳翠が挿絵を描いたという『高等小学読本』興味深かった。
聖彼得堡(サンクトペテルブルグ)とか、漢字がいっぱい!
明治の高等小学校の教科書の難しさに驚きました。

展示室1-Dは「うるはしの工芸」
荒川豊蔵の陶器や、岩田藤七、各務鑛三のガラスなどが展示されていました。

展示室1-Eは「めでたし、金屏風」
玉舎春輝(たまや しゅんき)《武陵桃源図》1921頃
川合玉堂(かわい ぎょくどう)《 松渚双鶴》1931
大橋翠石(おおはし すいせき)《虎図》1938頃
など、豪華な金屏風の大作で見ごたえありました。

帰る時に撮影。ドラマチックな光に照らされた岐阜県美術館
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「円空大賞展」の過去記事
岐阜県美術館「円空大賞展」パイプオルガンコンサート
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-02-18

岐阜県美術館「第8回 円空大賞展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-02-15

岐阜県美術館「第7回 円空大賞展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-02-19

岐阜県美術館「円空大賞展」と田中泯の場踊り(第6回)
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-02-18

岐阜県美術館「円空大賞展」へ行く(第4回 円空大賞展)
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2007-03-24

岐阜県美術館(第3回の円空大賞展についてちょっと書いてます)
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2005-09-06

岐阜県美術館のHP: http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/

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中日新聞岐阜・近郊版 2018年2月3日の記事
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ブログ「やまさんウォーカー」の円空大賞展の記事
第9回円空大賞展(岐阜県美術館) オリベイラさんの大作がすごかった!
http://blog.livedoor.jp/fpyama300/archives/1069928716.html

瑞浪市陶磁資料館「伊藤文生のデザイン」展

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2月11日(日)瑞浪市陶磁資料館へ行きました。

伊藤文生のデザイン
~HOYAチャイナの美と挑戦と~
という企画展が2月12日(月・振替休日)までだったので。
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このチラシを見て、私は抹茶茶碗のワビサビはよくわからないけど、
こういう優雅な洋食器のデザインっていいなぁって思うんですよね。

多治見市美濃焼ミュージアム「幻のナカヤマ」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27
とか素敵だったし。

瑞浪市陶磁資料館は、中央自動車道 瑞浪ICのすぐ北側にある
市民公園の横にあります。

入館料一般200円を払って入ります。

企画展示コーナーの入口
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撮影可ってことで、誰もいないのをいいことに、バチバチ撮っちゃいました。
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「HOYA」って聞くと、私は HOYAクリスタル が思い浮かんで、
クリスタルガラスの高級食器をイメージしちゃうんですが
(私たちの結婚祝いに頂いたグラス類がHOYAでした)
昭和45年(1970)頃に陶磁製食器の生産に乗り出したとのこと。

もらったリーフレットによると
 同社のガラス食器は高品質なクリスタルガラスを用いた高級食器であったことから、 陶磁製食器もガラス製食器に引けを取らない高品質な製品の創造を目指し‥(中略)‥ HOYAチャイナの生産は(株)保谷クリスタルにとって“大いなる挑戦”でもありました。

で、その企画・デザインの中心を担ったのが伊藤文生氏だったそう。

昭和45年(1970)頃に、(株)保谷クリスタルが多治見工場を設立し、陶磁製食器生産を
開始する(主に酸化磁器(アイボリー食器)を生産)

アイボリー磁器「弥生」洋食器揃 昭和40年代後半
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昭和51年(1976) 特白磁器「ホワイトシャドウ」の生産を開始

ホワイトシャドウ「ロレーヌ」洋食器揃 昭和50年代~平成
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この白色度の高い素地(ホワイトシャドウ)に染付風の花の絵柄を付けた
「ロレーヌ」は大ヒット商品となり、HOYAチャイナの人気を不動のものとしたそう
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ホワイトシャドウ 金銀彩葡萄文洋食器揃 昭和50年代
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ホワイトシャドウ 白磁葉形洋皿 昭和50年代
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昭和60年(1985)頃からは、乳白色を呈するボーンチャイナの素地が主体なったそう

ボーンチャイナ「サンタニア」
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ボーンチャイナ「グリーンリーフ」洋食器揃 昭和60年頃~平成
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ボーンチャイナ 色絵木の実文ポット/カップ&ソーサー 昭和60年頃~平成
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ボーンチャイナ 木の実文カップ&ソーサー 平成11年以降か
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展示されている製品の全てが伊藤文生氏の考案ではなく、他のデザイナーや
外部デザイナーよにって考案された製品も含まれている可能性があるが、
伊藤文生氏はその採否・商品化に携わっていたよう。

そして、現在、HOYA(株)は、陶磁器食器はもちろん、
クリスタルガラス食器生産も終了したんですね!

 バブル経済の崩壊が始まった平成2年(1990)年頃からは、 陶磁製食器メーカーにとって多難な時代でした。(中略)消費の低迷、 中国や東南アジア諸国のメーカーとの低価格競争などにより、 東濃地方でも多くの陶磁製食器メーカーが廃業・閉業に至りました。

幻のナカヤマ展でも、安価な海外製品の流入による経営難で、
平成15年(2003)に中山製陶所を解散したってことでしたが、

平成13年(2001)頃、HOYA(株)が多治見工場を閉鎖し、陶磁製食器生産から撤退。
そして、
平成21年(2009)には、クリスタル事業(クリスタルガラス食器生産)も終了とのこと。


幻のナカヤマ展では、金を多く使ったキラキラな豪華な食器がすごいって
見たんですが、HOYAチャイナは、花や蔦などの植物をモチーフにした
優美な文様が素敵だなぁと見ました。

伊藤文生氏は、昭和15年(1940)生まれ。多治見工業高校(図案科)卒業。
平成11年(1999) HOYA(株)を退社、以後フリーデザイナーとして多くの
陶磁製食器の企画・デザインに携わる。平成28年(2016)永眠
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瑞浪市陶磁資料館の常設展示室では、
焼き物の4種類、土器・陶器・炻器(せっき)・磁器について、
(例外もあり、境界は必ずしも明確ではない)
わかりやすい説明がありました。
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炻器(せっき)って言葉、初めて知りましたが、常滑焼とか萬古焼みたいな、
釉薬がかかっていない、水を吸わない焼き物ってことでいいですかね。

4種類の焼き物の違いを触って確かめられます。
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磁器は光を通すんですね!
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絵付けについての説明
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イングレーズってやっぱり初めて知った‥‥
釉薬を施す前に絵付けする「下絵付け」は耐久性があり、
釉薬を施した後に絵付けする「上絵付け」はカラフルだけど、耐久性は落ちる。
「イングレーズ」は、絵具を釉薬に沈みこませる技法で、
カラフルで耐久性のある絵付けができるってことでした。

上映されていた絵付け作業の映像が興味深くて見入ってしまいました。
ろくろを回して、筆で金線を絵付けしていく職人技がスゴイ!
女性たちが家内工業的にスクリーン転写のシートを貼っていく映像も
ありました。

スクリーン転写の転写紙と製品が展示されていました。
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そして、瑞浪市の名誉市民であり、人間国宝(国重要無形文化財「瀬戸黒」保持者)
加藤孝造氏の展示室もありました。
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どの作品もすごいんでしょうが、私には価値がイマイチわからなくてスミマセン。
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瀬戸黒茶碗
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絵も展示されていました。
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屋外には登り窯もありました。
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瑞浪市陶磁資料館: http://www.city.mizunami.lg.jp/docs/2014092923046/

瑞浪市化石博物館とその周辺

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2月11日(日)、瑞浪市陶磁資料館へ伊藤文生のデザイン」展を見に行って、
ついでなので、周囲の博物館なども見ました。
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中央自動車道瑞浪ICのすぐ北側にある市民公園には、
瑞浪市化石博物館、
瑞浪市陶磁資料館、
市之瀬廣太記念美術館、
地球回廊の
4つの博物館があります。

ガイドマップの裏はスタンプラリーになっています。
(特に景品はないみたいですが)
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ここには以前にも来たことがあるけど‥‥って思ったら、
私の古いHPに記事を書いてました(えー?! まだ残ってるんだ!!)
http://www002.upp.so-net.ne.jp/shizuko/2004.10.31.html
2004年かー、ダンナがすごく若くて驚き(←14年前なんだから!)

そして、岐阜県先端科学技術体験センター
通称「サイエンスワールド」もあります。
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ここには息子を連れてきたことがあったなぁー。
ステージで科学の実験を見せながら行われる
サイエンスショーは楽しかった。

陶磁資料館と化石博物館の間にあったのが
大島一号古墳
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窯戸町大島の中央自動車道敷地内にあったものを移築・復元したもので、
7世紀頃の横穴式古墳だそう。
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石室に入ることができました。
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瑞浪市化石博物館
入口には化石博物館のキャラクター「デスモ」くんが、
「この階段をのぼると、1700万年前の海です」と。
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入館料200円だったので、せっかくなので入ってみました。
(結局4館すべてに入ったので、200円×4=800円
最初に4館共通券を買えば700円だったんですけど)

館内には、やはり瑞浪市化石博物館のキャラクター
「瑞浪(みずなみ)Mio(ミオ)」ちゃんの等身大ポップが。
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可愛いキャラクターですね!
ミュージアムキャラクターアワード2017で4位入賞とのこと。

最初にどーーんって展示されているのが、デスモスチルスの化石。
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デスモスチルスとは、ギリシャ語で「束ねた柱」を意味し、
のりまきを束ねたような歯を持つ絶滅した哺乳類。
1898(明治31)年に、瑞浪市明世町山野内で世界初の頭骨が見つかったのだそう。

右にある骨格は、デスモスチルスと同じ束柱類(そくちゅうるい)の一種、
パレオパラドキシア
隣の土岐市泉町から1950(昭和25)年に発見されたものだそう。
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実は、そんなことにはあまり興味のない私、説明も読まずに、
恐竜の化石かって写真撮ってたんですが、こちらの映像で、
ミオちゃんとデスモくんがわかりやすく解説してくれました!!
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恐竜とは生きていた時代も違う――恐竜が生きていたのは中生代で
約6500万年前に絶滅。デスモスチルスは新生代――約1700万年前に
海にいた生物で、頭の骨は瑞浪で見つかったのが世界で初めてなんだそう。

YouTubeで公開されています


ヒゲクジラの骨の化石
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虫入り琥珀
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化石博物館の横には、化石の地下壕があります。
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説明のプレートによれば
 この地下壕は、第二次世界大戦末期(1944年~1945年)に、航空機製造の疎開工場を建設するために掘られたものの一部です。地下壕の建設に携わったのは、強制連行された朝鮮人と中国人で、重労働と栄養失調などによる死傷者も多数でました。
 地下壕の天井や壁面には、Nipponomarcia(ニッポノマルシア)、Dosinia(カガミガイ)、Meretrix(ハマグリ)など多くの貝化石が露出しています。この地層は、およそ1700万年前に、10mより浅い砂底の海に堆積したものです。


三連休の日曜だというのに、誰もいなくて不気味ー。
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奥行約70m 奥から入口を望む
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白く見えているのが貝の化石なんですね。
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東側の山の斜面は、地層の重なりが見えるようになっています。
この写真では木々に隠れてわかりにくいですが、山の上にある白い塔が、
日中不再戦の誓いの碑
地下工場建設に従事し亡くなられた中国の方々の慰霊碑だそうです。
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それから市之瀬廣太記念美術館へ行ったんですが、そのことは次の記事で書きます。

地球回廊へ。 私も書いたことを忘れていた古いホームページで、
2004年にダンナと行ったことをあらためて読みましたが、
その頃に入館料が600円から300円になって、それでも私たちは「高い」って
言ってたけど、今は200円になってました。(高校生以下無料)
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それでも、日曜なのに(まぁ冬のこの寒さの中だけど)誰もいませんねー
光のトンネルをくぐると、そこは46億年前の地球。
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恐竜の楽園 巨大な恐竜の骨の下を通ります。
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そうそう、前もこのトリケラトプスには驚いたんだった!
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デスモスチルスのジオラマ
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ハイビジョン映像コーナーですが、誰もいませんねー
私もほとんど見ずに出てしまいました。
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市之瀬廣太記念美術館のことは次の記事で。

瑞浪市市之瀬廣太記念美術館の天野裕夫彫刻

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2月11日(日)、瑞浪市陶磁資料館へ「伊藤文生のデザイン」展を見に行き、
周囲にある瑞浪市化石博物館などにも入りました

市之瀬廣太記念美術館もそのうちの一つです。
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市之瀬廣太記念美術館って言うからには、
瑞浪市出身の彫刻家・故市之瀬廣太氏の作品が展示されていると
思っていましたが、あれ? この彫刻、天野裕夫さんじゃない?
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《天壇蛙》2012年 石・ブロンズ H113cm
ってキャプションはついていましたが、作家名はなくて‥‥
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《兎王(うおう)》2015年 陶・ブロンズ H153cm
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受付で入館料200円を払うと、こちらのチラシ(?)をもらいました。
「第30回瑞浪市市之瀬廣太記念美術館企画展
 天野裕夫 彫刻の世界」
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やっぱり天野裕夫さんの彫刻だったんだ。そして、
このチラシ、昨年秋に行きそびれて
すごく残念だった展覧会だ!!
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(チラシ裏面)

チラシ中面には、彫刻の写真がたくさん載ってて素敵だし、
作品のキャプションに天野裕夫さんの説明がついていて興味深い。
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(クリックで拡大します)

え?! まだやってるんですか?? って聞くと、

企画展の時の作品が委託で置いてあるのだそう。
その時は展示室1と2全てが天野裕夫さんの作品の展示だったけど、
(企画展の作品リストには49点ありました。
 チラシに写真が載っていても、展示されていない作品もありました)
今は展示室1が天野裕夫、展示室2は市之瀬廣太の作品が展示してあると。
天野裕夫さんの彫刻が見れてラッキー!!って思ったら、
さらに嬉しいことに展示室の入口に「撮影可」と!!!!

企画展の時は撮影不可だったそうなんですが、
(展示室の案内プレートにはまだ撮影不可マークがありました)
撮影可になったようです。
もちろん、私がこんな幸運を逃すハズはありません!!

展示室1の入口に置かれているのは
《手工神》2009年 FRP H102cm
 職人の神様を造ってほしいとの依頼に応え、悟空がお釈迦様の掌の中で‥‥との故事もヒントに、造った。(チラシ中面より)
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展示室1
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中央が、《護鬼佛理天(ごきぶりてん)》2000年 FRP H165cm
 西暦2000年に奈良のお寺に奉納されたゴキブリの供養塔。3億年前にこの地球上に現れたゴキブリと新参者の人類との葛藤を表現、奇界遺産!!
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《象豚猪(ぞうとんちょ)》2016年 陶・ブロンズ・ガラス W180cm
 198頭の象を乗せた超巨大なイノシシ。体が大きく見た目も怖いがとても優しい。当初の命名は「象と猪」で計199頭、豚を加えてジャスト200t。
 えー?!! 198頭もの象がいるの? この文を読むまで気がつかなかったなぁ。
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《二律背反都市》2009年 陶・ガラス W132cm
 一つの胴体に二つの頭を持つ三日月型の像、相反する考え方を持った二つの年が、危ういようでも成り立っているこの世界を示す。
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後ろの作品が《対艦巨砲主義》2007年 陶・ブロンズ・ガラス W165cm
 こんな言葉もありました。子どもの頃からの夢だった戦艦大和を一度は自分の作品として作ってみたかった。
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《七ツ目大黒象》2008年 陶・ブロンズ・ガラス W136cm
 ほとんど顔だけ、全体が象の顔です。俵の上で大きな袋を背負う大黒様のフォルムを借りた。
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《双対性曲煮都市》2006年 陶・ブロンズ W99cm
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《背美鯨》2013年 陶・ブロンズ W90cm
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天野裕夫の彫刻をこんなに見ることができて(撮影もできて)大満足です!!
天野裕夫さんは、岐阜県美術館で2003年に
「クロスアート展」として、坂倉新平と天野裕夫が紹介されていたのを
見て、すっかりファン(?)になったんですよね。
↓そのあたりのことを含めて、岐阜県美術館の所蔵作品のことを書いてます。
岐阜県美術館「彫刻のさんぽ道」(所蔵品展)その1
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-05-19

そして、たまたま行ったJR名古屋タカシマヤ美術画廊でやっていた
天野裕夫展のことを書いてます↓
JR名古屋タカシマヤ美術画廊の天野裕夫展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-09-15

第2展示室には美術館の名称どおり市之瀬廣太の彫刻が展示されていました。

市之瀬廣太記念美術館:
http://www.city.mizunami.lg.jp/docs/2014092922636/

じゅうろくてつめいギャラリー「手でみるアート展9」

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2月13日(火)、じゅうろくてつめいギャラリーで開催されていた
「手でみるアート展9」へ行きました。
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去年の2月5日(日)、案内をいただいて、
初めてじゅうろくてつめいギャラリーの
「手でみるアート展8」へ行ったことはこちらの記事に:
じゅうろくてつめいギャラリー「手でみるアート展8」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-02-17

今年も案内をいただいて、なんとか最終日に行くことができました。
駐車場はないので、近くの市営の金公園地下駐車場に停めて行きました。

じゅうろくてつめいギャラリーは、十六銀行が創立130周年を記念して、
平成19年に旧徹明支店を改装してオープンした地域開放型のギャラリー
じゅうろくてつめいギャラリーとは:
http://www.juroku.co.jp/aboutus/tetsumei_gallery/about_tetsumei_gallery.html

内部はレトロで重厚な雰囲気が素敵。
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大きな木の板の形や、彫った質感の違いも面白い。
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丹羽修《ショクエン》
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塩でできています。タイトルは食塩と「触」「円」をかけているのだとか。
クレーターのようにも見え、円の形から、宇宙のようなスケールの大きさ
を感じたり、壁の中と外とは?‥‥みたいなことも考えてしまいました。

菅原光則《湖底の遺跡》
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なめらかな石の触感の心地よさと、湖底に沈んだ古い遺跡をイメージさせる
階段のような形が素敵です。

米田誉《ポカポカ》
陶のザラザラした質感と、くぼみにたまった釉の透明感ある質感の
違いがいいですね。
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《くるくる》
点字が打たれた紙がくるくると丸まっています。
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《カップでリンリンリン》
カップを振ると音がします。
「自由に積んだり鳴らしたりしてください」と
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《深海魚》
ゴツゴツした深海魚の存在感!
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小澤紀代美《顔》
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柳原義達の彫刻《鳩》にも触れちゃいます!
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石岡弘子《ニョキニョキ》
なんとも目立つショッキングピンク! チューブの質感も面白いです。
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服部牧子《胎動》
不思議な形! 内臓を思わせるようでもあり‥‥
その上に描かれた形と色も面白いなぁ!
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《キモチのかたち》
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《大地》
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二村元子《Re ∞ Birth 4》
黒いザラザラした質感と、ところどころに配された乳白色の樹脂(?)の
なめらかな質感。闇に飛ぶ蛍とか、流れに浮かぶものとか、
なんか精神的なものを連想させて素敵です。
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inohaさんのなんともユニークでユーモラスな造形。
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視覚に頼りがちな現代社会の中で、忘れていた感覚をよみがえらせて 楽しんでいただけたら」とのこと。
レトロな会場と共に、今年も楽しかったです。

この展覧会、岐阜県立岐阜盲学校の北舎1階ふれあいコーナーにて、
2月15日(木)~3月9日(金) 13:30~17:00 巡回展が行われ、
一般の方も鑑賞できるそうです。

バレンタインデーの前日だったので、
岐阜高島屋まで行ってみました。10階特設会場で、
Amour du chocolat! (アムール・デュ・ショコラ)をやっています。
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友人から、JR名古屋タカシマヤの混雑ぶりは聞いていましたが、
寂れた柳ヶ瀬にある岐阜高島屋でもそこそこ混んでいました。

チョコレートは大好きだけど、高級チョコの味の違いがイマイチ
わからない味オンチの私。値段の高さに驚きながらも、まぁ
せっかく来たので、見た目で選んでみました。

オリンポスの惑星チョコ
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一応ダンナと息子に贈りましたが、食べたのはほとんど私です(^^;)
地球を食べたら、舌が真っ青になりました(^o^)

一宮市三岸節子三岸節子記念美術館「フジイフランソワ展」

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3月2日(金)、一宮市三岸節子記念美術館へ行きました。
「フジイフランソワ展
 はなから さらさら きにならぬ」という企画展をやっていました。
(会期2018年2月3日(土)~3月4日(日)なので終わっています)
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このチラシを手に入れた時(多分、岐阜県美術館あたりで)は、
そんなに行きたいと思ってなかったんですよね。

鹿の角が桜になってるのが不思議だけど、なんか古風な絵だなぁと。
フジイフランソワ? 日本の伝統文化にかぶれた外国の人なのかしら??
なんて思ってたし。
(実はフジイフランソワさん、静岡県湖西市生まれ、
 現在は名古屋在住の日本人女性だそうです)

チラシ裏面の妖怪のような絵も、うーんちょっと気味悪い
‥‥くらいだったんですよね。
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展覧会が始まって、ツイッターで
和菓子「べろりんとん」の画像が添付されたツイートが流れてきましたが、
その時は、あまりに毒々しい色にちょっと引いてしまったというか。
でも、ツイッターでの評判が良くて気になっていたところに、
2月11日のNHK日曜美術館アートシーンで紹介されたりして、
へー、ウチからわりと近いしちょっと行ってみるかって。

一宮市三岸節子記念美術館には、
「はしもとみお展」や、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-02-17
「森田りえ子展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-11-09
などに行ったことがあります。

三岸節子の生家跡に建てられた美術館は、かつてこの敷地内にあった
織物工場を彷彿とさせるデザイン。敷地内に現存する土蔵には
三岸節子の愛用の品が展示され、アトリエが再現されています。
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三岸節子さんの銅像が迎えてくれます。
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受付で一般500円のチケットを買って2階の展示室へ。
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チケットに使われているのは《月のコブコブラ》2011年
伊藤若冲の《葡萄図》のようですが、葡萄の蔓のあちこちに
ラクダがコブのように描かれています。

第一章 おうまがとき
なにやらあやしいものに出逢いそうな時間には、
人とそれ以外の生きものたちとの境界線が
だんだんと薄らいでゆきます。


ってあって、最初に展示してあったのが、
《ひょう流ひょうひょう》2002年
一目見て、なにこれ!! おもしろ~い!! って
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(展覧会図録より)

尾形光琳の《紅白梅図屏風》の水流のような中に、
奈良美智のキャラクターのようなゆるい犬がボートに乗っています。
豹(ひょう)が溶けて流れて『ひょう流』ってダジャレ??
なにより落款の放射能マーク!!
画材にはルイボスティーやエンジンオイルなども使われているそう。

そして《花火図 朝顔》2003年 豊田市美術館蔵 では、
鈴木其一《朝顔図屏風》がベースになっているんですが、
あちこちで花が燃えています。花に火で「花火」?
よく見ると、花に隠れている動物たちが燃えていたり、
猫は鼻から火を噴いていて「鼻火」?

次の《夜更けのスキャット》2002年 豊田市美術館蔵 は、
古い龍図かと思うと、爆撃機が描かれていたりと、
細部を見ていくと楽しい!!
さすが豊田市美術館、いいの持ってますね!!
フジイフランソワさんは豊田市美術館で2008年に
「綯交 REMIX フジイフランソワ、一体こやつのアートはいかに。」
という個展を開催されているのだそう。

《極楽温泉郷》2008年 がとりわけ楽しかった!!!
いろんな動物たちが、手ぬぐいを頭にのせて温泉に浸かっています!!
ガイコツもいるし、潜水服の人(?)もいます。
あちこち細部を見ていくとニヤニヤしちゃいます!!


第二章 はなから さらさら きにならぬ

茶道具それぞれに命が宿ったような《九十九髪茶道具》
茶釜は抹茶を差し出して《一服しんぜえもん》
《付喪神》では、筆は「一筆かきえもん」
琵琶は「びわ奉仕」おたまは「すくいたまえ」って!!(笑)

鹿を描いた作品が並んでいて、これらは大作で格調高い印象で
見ごたえがありました。
チラシ表面に一部が使われている《コノハナサクヤ》2016年
鹿の角が咲き誇る絢爛たる桜になっていて、
狩野派あたりの豪壮な障壁画のようで素敵!!

やはり鹿の角が木や草になっている《ヤマサチヒコ》2015年
《オオゲツヒメノカミ》2012年 茨城県近代美術館蔵 は、
鹿の角がたわわに実った果物の木になっています。
「オオゲツヒメノカミ」は穀物食物の女神だそう。
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どちらも私の好みの絵で素敵!!

酒井抱一《夏秋草図屏風》のように見えるのに、草にガイコツが
隠れている《草葉のかげ九十九》2017年 も好きだなぁ!!
(あらためて酒井抱一の絵をネットで見てみたら、
草に隠れるように咲く白いユリがガイコツのようにも見えたりして)


第三章 いと おかし

座敷わらし、ならぬ《座敷わがし》
柏餅のように柏の葉にくるまれているのは虎だったり、
餅の中にウグイスがくるまれていて、うぐいすもち(笑)
笹の葉に包まれている犬は長澤芦雪の犬にそっくりだったり、
ミカンからウサギがのぞいていたりと楽しい!!
そんな中に、ツイッターで画像が流れてきた「べろりんとん」も
描かれていて、うわー、これは食べなきゃ!!って思ったんですが、
展示を見た後で美術館のカフェへ行くと、
既に今日の分は売り切れだそうで残念ーーでした。
この展覧会と、尾西 金蝶堂がコラボして作った和菓子だそう。

鯉やカエルやカラスなどが、大きな鈴をつけた姿で描かれる
《愛玩》シリーズも楽しかった。


第四章 むすひ ひもとく

《竹林檎図》では、古い竹林図かと見ると、
なぜだか竹に林檎が生っていたり、
落ちた林檎から内臓のようなものが出ていたり。

《鶏頭》2002年 では、鶏頭の花はホントに鶏の頭だったり、

《やなぎにかえる》2008年 では、柳に飛びつく蛙と見たら、
柳の葉がみな蛙だったり!と、ダジャレのような面白さがあって楽しい。

そして最後、今回の展覧会のために描かれた新作
《いつか花となるならば》2018年
牡丹の花が画面いっぱいに描かれています。
白い牡丹の花はガイコツのように見えてきます。
(ちょっと絵から離れると、よけいガイコツに見えます)
ガイコツが楽しげに集まっているようにも見えてくるんですが、
あくまでも絵は日本の伝統的な雰囲気でいいなぁと。

展示室を出たところで、フジイフランソワさんの絵本が3冊
置いてありましたが、楽しかった!!
フジイフランソワさん、名古屋イラストレーターズクラブに所属する
イラストレーターだったそうで、絵は漫画チックというか、
今回の展覧会の絵とは全く違うんですが、なぞなぞとか、
言葉遊びのセンスとか、面白かったー!!

なぞなぞぞうくん (よみっこえほん)

なぞなぞぞうくん (よみっこえほん)

  • 作者: フジイ フランソワ
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2002/01
  • メディア: 大型本



しりとり りりい (よみっこえほん)

しりとり りりい (よみっこえほん)

  • 作者: フジイ フランソワ
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2002/01
  • メディア: 大型本



よみっここよみ (よみっこえほん)

よみっここよみ (よみっこえほん)

  • 作者: フジイ フランソワ
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2001/12
  • メディア: 大型本



別室ではフジイフランソワさんのワークショップで制作された
参加者たちの作品が展示されていました。(この部屋は撮影可でした)
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1階の常設展示室では「三岸節子 マチエールの魅力」として、
初期の絵具が薄く塗られた作品から、厚塗りのもの、絵具に砂を混ぜて
塗り重ねては削り取ったものまで、さまざまなマチエールの作品が
展示されていました。

目を引いたのが、新収蔵作品《貝谷八百子氏肖像画》
1957年に雑誌『週刊朝日』の、
“第7回表紙コンクール「日本の女性」”
いう企画で、3月17日号の表紙となった作品
三岸節子を含む15人の画家が描く表紙絵に、読者が人気投票を行い、
投票した読者へ抽選で表紙原画が贈呈されるものだったそう。
原画に当選して60年間保管されてこられた方が、
昨年秋にこの美術館に寄贈されたものだと。

展覧会の図録、1,600円を買って帰りました。
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コラボ和菓子「べろりんとん」が売り切れていたのが残念だったなぁー。

一宮市三岸節子記念美術館: http://s-migishi.com/

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2018年2月24日(土)中日新聞夕刊の記事(クリックで拡大します)
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ギャラリー小さい家「大人のアートなおもちゃ展」

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3月4日(日) ギャラリー小さい家へ行きました。
「大人のアートなおもちゃ展」をやっています。
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駐車場から見える「小さい家」の窓に、なにやら
カラフルなものが見えてます。
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坪庭の先のギャラリー入口に展示されていたのが、
松村喜弘さんの作品

額にスプレーで水を吹きかけると!!
ブルーの水が壁を伝って落ちていきます!
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ちょっと衝撃の体験!!みたいな。

1階和室にも松村さんの体験する作品がありました。
《世界に平和を広めましょう。》
白い世界地図にハンコを押します。
「世界平和」だの、「自由」「涙」なんてハンコがありました。
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床の間には荒井克典さんの作品
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千羽鶴が宙に浮いています。
床に反射する素材が敷かれ、千羽鶴が映っています。
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荒井克典さんは「小さい家」で大がかりなインスタレーションを
含めた個展なども何度か開催されています。
小さい家「-円相- 荒井克典」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-06-12

縁側には黒い瓢箪が置かれています。
大野昌之《まぼろしのプラネタリウム》
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穴を覗くと‥‥いろんな色の光がキラキラしてきれい!
(写真ではうまく写らないので残念なんですけど)
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2階へ上がると、
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わーなんかカラフルで楽しい!
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松村喜弘《安全な場所を作りましょう。》
いろいろ動かして遊んでいいそうです。
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カラフルな工事現場のよう?

そして、小澤紀代美さんの操り人形たち。
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音楽にのって踊らせて遊べます。
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見るだけでなく、触って遊べる作品たち。
ちょっと面白い体験ができる展示、
3月18日(日)までの金・土・日 12:00-17:00 です。


小さい家: http://gifulittlehouse.com/


ギャラリーキャプション「白い赤」展

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3月4日(日)岐阜のギャラリー小さい家へ行き、
「大人のアートなおもちゃ展」で体験型アートを楽しんだ後、
展覧会のチラシなどが置いてあるコーナーを見ていた時に、
この日までだからと勧められたのが
ギャラリーキャプション「白い赤」展
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置いてあった案内のハガキは分厚いボール紙のような紙で、
真ん中に銀色の小さな文字でタイトルだけが印刷されています。

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宛名面の地図を見て行きました。
JR岐阜駅からわりと近い場所ですが、

え?! ここ?!!! 素晴らしくインパクトのある建物です!!
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ギャラリーキャプションの駐車場が1列2台のみあるって
ことでしたが、近くのコインパーキングに停めました。
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階段を上がった2階が入口になっています。
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最初に天井から吊るされた、白い(針金?の)赤の文字
森末由美子さんの作品

展示室は2部屋あり、
白い壁にフローリングの床の素敵な空間になっていました。

古い本(日記帳)が開いてあり、その上に虫眼鏡が置いてある作品、
最初に見た時は意味がわからなかったのですが、
「ハートが見えませんか?」って言われてよく見たら、
開いたページの真ん中に置かれた虫眼鏡の枠の影が
ハート型に見えます!! 寺田就子さんの作品

別室にあったグラスにガラス棒が挿してあって、
見る角度でガラス棒の先端に色が見える作品も
寺田就子さんの作品。
あ、寺田就子さん、あいちトリエンナーレ2016で、
旧明治屋栄ビル3階で展示されていた方なんだ!
あいちトリエンナーレ2016 (8) 名古屋駅・旧明治屋栄ビル他
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12

金田実生さんの透明感のある絵もいいなって見ました。

ギャラリーの空間全部が現代アートって雰囲気でよかったです。

ギャラリーキャプションのウエブサイト、私のパソコンで
危険なサイトってMcAfeeに警告されるんですけど‥‥
https://www.gallerycaption.info/

フェイスブックや
https://www.facebook.com/gallerycaption/

インスタグラムもありました。
https://www.instagram.com/gallery_caption/

極小美術館「臼井千里」展・「中風明世」展

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3月11日(日)、岐阜県池田町にある極小美術館へ行ってきました。
「臼井千里」展と
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「中風明世」展をやっています。
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この美術館、以前から行きたいと思ってたんですよね。
岐阜県美術館あたりに置いてあるチラシを見て、
面白そうな展示やってるんだなぁって思っていたし、
知っている作家さん(二村元子さん)が参加された展覧会の案内を
送っていただいたこともあったんですが、
どうも「アポイントをとってお越しください」ってことと、
一緒に行くような人もいないので、なんか敷居が高いように感じて‥‥。

それが、パートが休みだった2月1日(木)、
なんとなくテレビをつけていたら、
NHKの夕方のローカル番組「ほっとイブニングぎふ」で
極小美術館が紹介されているではないですか!! あわてて録画しました。

NHK岐阜放送局のウェブサイトに内容がアップされています。
第51回「極めて小さな美術館 代表・長澤知明さん(大垣市在住)」
http://www.nhk.or.jp/gifu/program/hot/culture_180201/culture_180201.html

開館して約9年、全国の美術関係者から注目を集め、
7年先の2025年まで、展示の予約が入っているという極小美術館。

この美術館を作ったのは、長澤知明(ながさわ・ちめい)さん。70歳。
10年前まで、公立高校の美術教師だった長澤さん。
かつての教え子たちに、作品を発表する場を作りたいという思いで、
定年後に自費でこの美術館を開館しました。

「教え子が進学して、展覧会をしていますと
 情報をくれるたびに見に行くんですけどね」
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「1週間貸し画廊をかりて、高いお金を出して
 見に来るのは同級生と親せきだけ
 あまりにもかわいそうだなと思って」

自身も彫刻家として50年以上活動してきた長澤さん。
作品の発表は、作家が成長するために欠かせないステップだと

「アトリエから作品を出して
 社会にさらすことは基本ですね」
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「それをやらないと、次のステップを
 踏んでいくことができない」

それでも「ギャラリー」ではなく、あえて「美術館」という名前にしたのは

「ギャラリーという名前を付けると
 案内をもらった人が

 1点くらい買ってあげないといけないかな
 という忖度(そんたく)が働く」

「うちは一切作品の売買はしません
 入館料もいただきません」
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「本当にいい作品を見てもらう」
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熱っぽく語る長澤さんを見ていたら、
知っている方が映ってビックリ!!
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新しく始まる展覧会の作品を搬入する臼井千里さん!!
書道家と紹介されていたけど、

私はこの方、我が家が昔ホームステイの受け入れをしていた頃に、
国際交流団体のリーダーとして活躍していらっしる姿を見て、
いつもその英語力や行動力にすごいなーって感心していたんです。
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臼井千里さんが書道家だって知ったのは、2014年に
岐阜シティ・タワー43で開催されていた
「見たい見せたい美術展」で、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-02-10
岐阜を代表する画家や彫刻家と並んで展示されているのを見て、
作品も素晴らしかったんですが、
この方々と並ぶレベルなんだ!!って驚いたんですよね。

昨年秋の岐阜市歴史博物館「レオナルド×ミケランジェロ展」
オープニングの日のイベント
対話劇「生涯のライバル レオナルドとミケランジェロ」に行った時、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-10-14
着物姿の臼井千里さんをお見かけしたんですが、
この対話劇も臼井さんが大きくかかわっていらっしゃったのだとか。

極小美術館で臼井千里展が開催されていることを知って、
これは是非行かなくちゃと、
3月11日(日)、ちょっとドキドキしながらアポイントの電話をかけました。

池田町には、池田温泉や桜の名所・霞間ヶ渓(かまがたに)
そして願成寺古墳群美術展などに行ったことがあるんですが、
私設の小さな美術館なので道路の標識もなく、
目印になるような建物もなくて、かなりわかりにくかったです。
(口で説明しようとしても難しいカンジ)

極小美術館(帰る時に撮影)
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2つ並んだドアの「臼井千里展」と書かれた方を開けると、
着物姿の臼井さんが、何人かの来館者とお話していらっしゃるところでした。
臼井さんと会えるとは思ってなかったですし、私のことを覚えていて
くださって、さらに感激!!でした。

せっかくなので写真も撮っていただきました!
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作品はすべて《COSMSO-コスモス 小宇宙-》がテーマ
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こちらは「LIFE」の文字を重ねたもの
命がうごめくようにも、立体的にも見えてきます。
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なんとも優美な「花」の文字。素敵です!!
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その後「中風明世展」のドアから2階へ上がり、お茶をいただきました。
長澤知明さんや中風明世さんもいらっしゃいました。

3階は「中風明世」展
カラフルな板が壁に整然と並んでいます。
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正面の壁にはピンクの板が1枚だけ。
聖堂とか、なにか祈りの空間のようでもあります。
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よく見ると、それぞれの板は単純な色面ではなく、
塗り重ねられていたりして、微妙なニュアンスの違いがあります。
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板に銀色の横線が入っているのと、縦の線が何本か入っているのが
ありますが、それらは描いたものではなく、実は透明なプラスチックを
埋め込んで、そこに銀色を塗ったのだとか! すごい手間です。
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長澤知明さんの信念の塊のような美術館。
とても素敵な空間でした。

「臼井千里展」と「中風明世展」は4月1日(日)まで。

次は、2018年4月8日(日)~6月3日(日)
「稲葉佳子展」と「中野磨里展」が開催されます。

観覧希望のアポイントは 090-5853-3766 へ。

極小美術館:
http://www.geocities.jp/kyokushou_museo/
今までの展覧会のフライヤー(チラシ)も見ることができて、
あぁ、この展覧会も見たかったなと。

臼井千里さんのホームページ:
http://chisato-usui.com/
とても充実したウェブサイト!! 英語ページもさすが!!です。

岐阜県美術館一般展示室「それぞれの空間表現展」2018

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3月16日(金)岐阜県美術館の一般展示室で開催されていた
「それぞれの空間表現展」に行ってきました。
(展示は2018年3月13日(火)~3月18日(日)なので終了しました。)
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フォローしている足立絵美さんのツイッターで、
https://twitter.com/emi8282
「それぞれの空間表現展」が始まりますってツイートを見て、
あらこの展示またやるんだって思ったら、
前回は去年2017年2月21日(火)~2月26日(日)だったんですね!!

岐阜県美術館一般展示室「それぞれの空間表現展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11

この展示からもう1年経ったわけですか!

岐阜県美術館、「第9回 円空大賞展」が3月11日(日)で終了
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2018-02-15
多目的ホールに展示されていたエンリケ・オリベイラさんの
巨大な作品も撤去されていて、いつにも増して閑散としていました。

岐阜県美術館の一般展示室、いつもは県内の美術団体など
2団体が分けあって展示していることが多いのですが、
その空間全てを使っての展示です。
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入ってすぐ、このカラフルな作品が目に飛び込んできます!
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戸部善晴さんの作品

よく見ると、すみっこに置かれたり吊るされたりしている小さなカメレオン
カワイイですね。
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展示室の中央に長ーく伸びた作品は、大野昌之さん《Ca》
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真ん中が円形にくぼんだ白い台に、いろんなものが置かれています。
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松ぼっくりや貝殻や、あ、小さな瓢箪もある!
大野昌之さん、ギャラリー小さい家「大人のアートなおもちゃ展」に、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10
瓢箪の中にいろんな色がキラキラしている作品を出されていましたね。
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佐藤仁美さんの展示コーナー
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なんか花とか連想するような形だなぁって見たら、
《はとはなのかたち》みたいなタイトル(正確ではないかもです)でした。
変形パネルも面白いです。
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足立絵美さんの展示コーナー
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正面の大作2点は見ごたえあります。凝ったマチエールも楽しい。
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右側のカミキリムシ(?)を抱いた女の子、可愛い!
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パンタン(操り人形)が5点展示されていました。
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ひもを下に引っ張るとそれに連動して
 手足が上下に動きます
 ひもを
やさしく引っ張ってみて下さい

《popo》足(?)がフォークとスプーンなのが面白ーい!!
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頭が二つある子《nakayoshi》素敵!!!
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角の生えた子《jiro》表情がとても印象的
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オシミタダシさんの展示コーナー
去年の展示で、え?これは写真?絵??って驚いたんですが、
写真にペイントをしているんだそうですね。
グラフィック的な処理も面白いです。
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床に置かれた作品は、
《捏造された記憶だけが優しく微笑みかける》
って意味深(?)なタイトルがつけられています。
立体の文字が置かれているのも面白い‥‥M E M O R I E S
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猫好きにはこんな作品たまりません!
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堂本清文さんの展示
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壁の横には釘と金槌が置いてあって、
参加型のアート作品です
 ファイルの中の作品を
 “かなづち”と“針くぎ”で
 自由に壁に貼り付けてください
」と!
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壁の両面に貼り付けることができます
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床一面に並べられた立体作品は長縄功太郎さんの作品
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一つだけ壁に取り付けられたものがあります。
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昨年の「それぞれの空間表現展」は、それぞれのコーナーが
壁でしっかり区切られている雰囲気でしたが、今年は、
ゆるやかに重なり合っているような展示がいいですね。

安永智一さんの展示コーナー
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動きを感じます。
黒い円は、黒い紙を切って貼り付けてありました。

遠藤泉女さんの展示コーナー
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松井優幸さんの展示コーナー
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松永賢さんの展示コーナー
黒いミステリアスな人物を描かれる松永賢さん
今年はドローイングの展示
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ドローイングでもミステリアスな雰囲気が出てますね。
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3月26日(月)まで、瀬戸市のVOUSHO Coffee Factoryで
展示をされているそうです。
VOUSHO Coffee Factory: https://www.vousho.com/
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藤澤真実さんの展示
透明感と光沢のある色がきれい!! これはフィルムか何か??
「ミクストメディア」と書いてあったけど‥‥
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藤澤真実さん、昨年は大きな立体作品を展示してらしたけど、
今年はまた違った方向の作品なんですね。
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「それぞれの空間表現展」いろんな作品が並んでいてとても良かったです。

美術館入口側の窓から見た一般展示室
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ショップで買った、「ミュージアムの女」チョコレート
540円が岐阜県美術館後援会員証で486円になりました。
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「ミュージアムの女」
岐阜県美術館の監視係の方が描かれた4コマ漫画
岐阜県美術館の公式アカウントで発表されて話題になりました。

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また連載が再開されて楽しみです。
岐阜県美術館公式ツイッター: https://twitter.com/gifukenbi

名古屋市美術館「真島直子 地ごく楽」

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3月20日(火)名古屋市美術館へ行きました。
「真島直子 地ごく楽」という展覧会をやっています。
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パートが休みだったこの日、ホントは
豊橋市美術博物館「ウィリアム・モリス展」とか、
もっと遠い美術館へ行くつもりだったんですよ。

でも色々雑用をやっているうちに遅くなって、豊橋はちょっと無理か
‥‥って、まぁ名古屋くらいなら間に合うかなと。

名古屋市美術館のこの展覧会、それほど行きたいってことでは
なかったんですけど‥‥まぁ、チラシのデザインが素敵だったことと、
3月11日放送のNHK日曜美術館のアートシーンでも紹介されていましたし、
名古屋市美術館では、この次に「モネ それからの100年」とか
「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」なんて
素敵な展覧会が続くので、前売券を買ってこようって思いもあったんです。

名古屋で寄った金券ショップで、
「真島直子 地ごく楽」当日一般1,200円が800円で売られていたので
当然買いました(あんまり人気ないだろうから、金券ショップで
まだ残っているんじゃないかって思ったらやっぱりありました!)し、
「モネ それからの100年」当日一般1,400円、前売り1,100円が1,090円
「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」
当日一般1,500円、前売り1,300円が1,090円だったので買ってしまいました。

真島直子の絵は、2014年2月2日(日)まで開催されていた、
愛知県美術館「アイチのチカラ!」展で、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-02-03
初めて見て、鉛筆でうねうねと描かれた大きな絵が、
見ているとぞわぞわと動き出すようで、ものすごいインパクトが
あったんですが、最終日で出品リストもなくなっていて、
作者名がわからなかったんです。
この展覧会は、愛知県美術館の所蔵作品による
戦後愛知のアートを紹介する展覧会で、
真島直子は名古屋市出身とのことで展示されていたんですね。

次にこの作品を見たのは、2014年9月
愛知県美術館で「これからの写真」展をやっていた時の、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-09-12
「ミニマル/マキシマル」というテーマの所蔵作品展
真島直子《地ごく楽 2003-2》って作家と作品名を知ることができました。

愛知県美術館プロジェクト・アーチ「末永史尚―ミュージアムピース」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-09-14

名古屋市美術館
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平日だし、そんなに混んでないだろうって思ってましたが、
展示室内、私一人ってことはなかったので、まぁさすが名古屋だわって(笑)
(岐阜県美術館あたりだと展示室独り占めってこともよくある)

愛知県美術館所蔵の鉛筆の作品も来てましたし、
油彩を使った作品、そして
チラシ表面にも使われているような、
おどろおどろしくも不思議な美しさがある立体作品たち

特にたくさんの立体作品が集まった《地ごく楽2018》
地獄の池で魚(鯉)たちがのたうっているような迫力がありました。

‥‥が、どうもこの立体作品、私的にはちょっと‥‥ってカンジ。
まだ名古屋市美術館の白い空間にあるからいいけど、これ
あいちトリエンナーレとかの廃屋みたいな空間で見たら、
なんだか汚らしく見えるんじゃないかなぁーなんて。
防腐剤?みたいな匂いも気になったし。

鉛筆の絵は確かに迫力だけど、この巨大な作品、よくこんな大きな紙が
あったもんだとか、折り目をつけないように保存するのは大変だろうなぁー
なんて思いながら見てました(笑)

地下の常設展示室3では「名古屋のシュルレアリスム」として、
真島直子の父の眞島建三の作品が4点展示されていました。
日本におけるシュルレアリスムの最盛期は1937年前後でしたが、 残念ながら1940年代の特別高等警察による思想弾圧によって、日本の シュルレアリスムは急速に消沈し、また戦災によって戦前の作品が多く失われました。 名古屋生まれの眞島建三もまた、空襲によって昭島の自宅にあった絵をすべて焼失しました。
(置いてあったリーフレットより)

名古屋市美術館「画家たちと戦争」展で見た
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-09-24
鳥と猫で顔になっている北脇昇《鳥獣曼陀羅》や、
《春に合掌す》が展示されていました。

「画家たちと戦争」展で担当学芸員の山田諭さんの解説会を聞くことができて、
戦前に独自のシュルレアリスム絵画を確立した北脇昇だったけど、
戦争でシュルレアリスムが弾圧され、「図式絵画」や
東洋思想に傾倒した作品へと変わっていったとのことでした。

常設展では、変形のキャンヴァスに黒い機械部品が散乱しているのかと
見たら、男や女が入り乱れて、ナイフを突き立てられた赤ん坊がいたりする
《カム・オン・マイ・ハウス》と《私生児の誕生》が並んでいて迫力でした。
この絵、日付だけを描いた絵で知られる河原温の1955年の作品なんですね。
渡米後の日付絵画《FEB.23,1966》《JUNE 5,1967》《20 ABR.68》《17 ENE.69》や
《百年カレンダー(18,864日)》1984年 も展示されていました。

閉館の5時少し前に出て、帰る途中、
名古屋画廊のウインドウにあった絵がいいカンジで、
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思い切って画廊に入ってみました!
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「田村美奈展」
―風景の中の風景― って副題がついていましたが、
水面に映った風景のイメージのような抽象画のような、
なんかとても気持ちのいい絵だなって見ました。

伏見から名古屋まで歩きました。途中の納屋橋で、
川岸の桜が咲いていてびっくり。コヒガンザクラだそう。
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この後、1週間程で名古屋の桜(ソメイヨシノ)も満開になるんですが、
この時はまだ開花宣言が出されたくらいでしたから。

豊橋市美術博物館「ウィリアム・モリス」展

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(もう2週間も前のことですが、なかなか記事が書けなくて‥‥)
3月22日(木)豊橋市美術博物館まで行ってきました。
「ウィリアム・モリス 原風景でたどるデザインの軌跡」
という展覧会が25日(日)までだったので。
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一応、大学でデザインを専攻(もう40年前ですが)したので、
現代デザイン論の授業で「モダンデザインの父」として
最初に習ったのがウィリアム・モリスでした。
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モリスのデザインしたテキスタイルや書籍は大好きで、
今までもモリス関連の展覧会は結構見てますし、
モリスの生涯の友人、バーン=ジョーンズの展覧会を
兵庫県立美術館まで見に行っちゃったこともあります。

兵庫県立美術館「バーン=ジョーンズ展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08

会期末が迫ってきて、モリスの展覧会は今までも結構見てるし、
あきらめようかなぁ‥‥とも思ったんですけど、
行っちゃいました。

豊橋市美術博物館のある豊橋公園の桜
3月22日(木)三分咲きくらいでした。
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豊橋市美術博物館へ行くのは3回目。最初は2011年7月3日(日)に
「カンヴァスに描かれた女性たち」展を見に行って、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-07-08

2回目は2016年5月17日(火)に「『描く!』マンガ展」を見に行ってます。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17

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この展覧会、「原風景でたどる‥‥」って副題がついていますが、
少年モリスが動物や草花に親しんだエピングの森、
中世の雰囲気が感じられるオクスフォード大学の由緒ある建物、
そして新婚のモリス夫妻が住んだ「レッド・ハウス」などが、
写真家・織作峰子氏の美しい写真で紹介されて、
イギリスのモリスゆかりの地を旅したような気分になれました。
もちろん、モリスデザインの壁紙やテキスタイル、そして、
「ケルムスコット・プレス」と呼ばれる書籍もたくさん展示されていて
嬉しかった。私、美しくデザインされたタイポグラフィーと
挿絵と植物文様が一体となったモリスの書籍が大好きなんです!

ホールをずっと奥へ進んだところにある受付で観覧料一般1,000円を払い、
最初の展示室では、いくつかの映像の展示と、奥の大きなスクリーンで
若きモリスの感性を育んだ場所が紹介されていました。

ウィリアム・モリスは、1834年ロンドン北東の郊外ウォルサムストウで生まれ
6歳になった1840年にウッドフォード・ホールに移り住みます。
その隣にあったのが王家の狩猟場として使われてきたエピングの森
豊かな自然の中で、モリスは動物や草花とのふれあいを楽しんだそう。
モリスの壁紙デザインには小鳥やウサギや草花がモチーフとして
使われていますが、そんな感性がこの豊かな自然の中で育まれたんですね。
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そして進学したオックスフォード大学で、
生涯の友・バーン=ジョーンズと出会うのですが、
中世の雰囲気を色濃く感じられる建物が素敵!!
(ハリー・ポッターの学校みたいだなーって見ました)
モリスたちの中世好き(?)にはたまらなかったろうなと。
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ラファエル前派の中心的存在だったダンテ・ゲイブリエル・ロセッティのもとで、
バーン=ジョーンズとともに絵を習い始めたモリス。
ロセッティがオックスフォード・ユニオン(学生会館)の壁画制作の依頼を受け、
モリスたちもこの仕事に加わります。
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モリスはこの壁画制作で、ジェイン・バーデンと出会い、
結婚することになります。
彼女はロセッティが壁画制作のために採用したモデルでした。

1859年 モリスとジェインは結婚し、
1860年に「レッド・ハウス」に入居します。
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当時の四角い家に対して、赤煉瓦を使った革新的な家だったそう。

レッド・ハウスの内装はモリスと仲間たちの室内装飾の実験場となり、
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この共同制作の経験を通じて、
1861年にモリス・マーシャル・フォークナー商会が設立されました。

最後の展示室で、このレッド・ハウスの間取り図とともに、
各部屋の映像があり、レッド・ハウスを訪ねた気分になれました。

1871年、モリスはコッツウォルズ地方東部にあるケルムスコットで、
ロセッティと別荘の共同賃借を始めます。
この地方に特徴的な蜂蜜色のライムストーンで造られた別荘は
「ケルムスコット・マナー」と呼ばれ、
モリスは「地上の楽園」のようだと讃えたのですが、
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師と仰ぐロセッティと、妻ジェインとの三角関係に悩みます。
ロセッティの描く女性は多くがジェインの顔ですものね。
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チラシ表面の下に使われている部屋は、
ケルムスコット・マナーの《ホワイト・ルーム》だそう。

壁紙やテキスタイルなどは見たことがあるものも多かったですが、
やっぱり素敵だなぁと。図録も買ってしまいました。2,500円
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図録と無料の展覧会出品リスト

モリスのデザインをモチーフにしたスタンプを押すことができました。
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この展覧会、
2017年1月7日(土)~2月12日(日)に愛媛県美術館、
2017年2月25日(土)~3月26日(日) に福井市美術館、
2017年11月14日(火)~2018年1月8日(月・祝)に
奥田元宗・小由女美術館で開催され、
2018年2月12日(土)~3月25日(日)に
豊橋市美術博物館に巡回してきたようです。

ウィリアム・モリスの展覧会って結構やってるんですね。
「ウィリアム・モリス―デザインの軌跡」という展覧会が、
2018年4月21日(土)~7月16日(月)に、
アサヒビール大山崎山荘美術館で開催されるそうです。

私が見たウィリアム・モリスの展覧会
2004年7月17日~9月5日に岐阜県美術館で開催された
「ウィリアム・モリスとアーツ&クラフツ」展
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今回の図録と、「ウィリアム・モリスとアーツ&クラフツ」展の図録
この展覧会、2004年9月15日~10月3日に大丸ミュージアム・梅田
2004年10月7日~10月19日に大丸ミュージアム・東京 へと巡回しました。

2009年6月12日(金)~8月16日(日)に愛知県美術館で開催された
「生活と芸術―
 アーツ&クラフツ展
 ウィリアム・モリスから民芸まで」
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民芸運動の柳宗悦らが昭和初期に建てた「三国荘」の
再現展示もありました。(チラシ裏面右下)
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ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館との共同企画による
展覧会とのことで、愛知県美術館が入っている愛知芸術文化センターの
会報の表紙に使われているのは、
ヴィクトリア&アルバート美術館の「グリーン・ダイニングルーム」
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1866年、モリス・マーシャル・フォークナー商会が、
サウス・ケンジントン美術館(ヴィクトリア&アルバート美術館の当時の名称)から
世界初となる美術館内の食堂の装飾を委嘱されてデザインしたものだそう。

ついでに‥‥
大学の「現代デザイン論」の授業で使った教科書
勝見勝「現代デザイン入門」SD選書1

現代デザイン入門 (SD選書 1)

現代デザイン入門 (SD選書 1)

  • 作者: 勝見 勝
  • 出版社/メーカー: 鹿島出版会
  • 発売日: 1965/11/01
  • メディア: 単行本


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学生時代に買った本
「―アール・ヌーボーの源流―
 ウィリアム・モリスとその仲間たち」
岡田隆彦 編著 岩崎美術社
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ウィリアム・モリスとその仲間たち―アールヌーボーの源流 (双書美術の泉 34)

ウィリアム・モリスとその仲間たち―アールヌーボーの源流 (双書美術の泉 34)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩崎美術社
  • 発売日: 1978/03
  • メディア: 単行本



ケルムスコット・プレス チョーサー「カンタベリー物語」
挿絵がバーン=ジョーンズ、縁と字体のデザインがモリス
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デザインの参考にしたかったんですが‥‥とても手が出ませんでした。
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豊橋市美術博物館では、
魚町能面同好会による能面の展示などもありましたし、
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2階の常設展では、「室内でのひととき」というテーマで、
佐分眞《厨房》や鬼頭鍋三郎《午後》などが展示されていました。

三分~五分咲きの桜と、
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吉田城と
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豊川を見て帰りました。
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豊橋市美術博物館: http://www.toyohashi-bihaku.jp/

この展覧会の公式図録を元に書籍化した本

ウィリアム・モリス 原風景でたどるデザインの軌跡

ウィリアム・モリス 原風景でたどるデザインの軌跡

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 求龍堂
  • 発売日: 2017/01/11
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岐阜県現代陶芸美術館「コレクション×キュレーター」展

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4月8日(日)、岐阜県現代陶芸美術館へ行きました。
「コレクション×キュレーター
 7人の学芸員が紹介するコレクションの魅力」展の最終日。
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岐阜県現代陶芸美術館のチラシはいつも、とても素敵で豪華
なんですが、今回は予算がなかったのか?
もちろんデザイン素敵ですが、裏面はモノクロだし、紙も薄いww
(なので、スキャンしたら裏が透けちゃってますー)
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以下、裏面の文章より
「美術館の活動」と聞いて、多くの人々が思い浮かべるのは、企画展ではないでしょうか。

ハイ、「ミュシャ展」に66万人入場したとか、
「国宝」展は62万人だとかって話題になりますよね。

もちろん企画展は重要ですが、例えばルーブル美術館にある 「モナ・リザ」のことを思えば、所蔵作品が美術館の性格を表し、 美術館活動の基本にあることに思い至ることができるでしょう。 美術館の基本的な使命は、美術作品を体系的に収集し、保存し、 来館者に公開し、教育普及活動を行っていくことにあります。
こうした美術館活動は、学芸員(キュレーター)と呼ばれる職員たちの 地道な仕事によって支えられています。 当館にも、館長を含め、学芸員が7名います。 それぞれ専門としてきた分野も異なり、 興味や研究の対象も少しずつ異なっています。

という、岐阜県現代陶芸美術館の7人の学芸員が、
コレクションの中から、それぞれの視点で作品を選んで
展示する展覧会。

会期中の毎週日曜日14:00~学芸員による展示解説があり、
最終日の4月8日は館長の高橋秀治氏が担当されました。

あちこちで春祭りが開催されている日で、
多治見でも陶器まつりが開催されているとのことでしたので、
セラミックパークMINOも混んでいるかな?
って思ったら、いつもに増して閑散としていまして‥‥
(陶器まつりは多治見の街中―本町オリベストリート一帯―でやってます)

高橋秀治氏の解説に集まったのは4名だけという、
なんとも申し訳ないような‥‥

最初の展示室が館長・高橋秀治氏が担当された、
第1章 新収蔵品を通して美術館の活動を知る=美術館の魅力は所蔵品から
ここに展示されている作品はすべて、平成28年度に
岐阜県現代陶芸美術館の収蔵品となったものだそう。

(以下、あくまで私の記憶で書いてますので、
聞き違い等もあるかもしれません)
美術館が作品を収集するには、購入、寄贈、そして
他団体からの移管という方法があるそう。
他に期間限定での寄託ということもあるとか。

ということで、まず購入した作品
フィンランド・アラビア社の
ルート・ブルックの陶板付きデスクや、鉢など。
ちょっと素朴な詩情を感じる作風の方だなぁと見ました。

そして、私が素敵!!って見たのは、
ミントン《金彩透し彫りボーダー パツィオパット天使図飾皿》1898/1905
イギリスの今はもうない陶磁器メーカー・ミントンの
縁は透かし彫りに金がキラキラで、中央に、パツィオパットという
カメオのようなブルーに半透明の陶土を盛り上げる方法で
天使が描かれている皿が並んでいまして、なんとも豪華でした。

ロイヤルコペンハーゲン《結晶釉北極熊トレイ》1925
氷の海に飛び込もうとしている北極熊。
結晶釉で表現されている氷の質感がとてもきれいです。

そして、寄贈
人間国宝の加藤孝造氏から寄贈された《志野白帯文壺》1962頃と、
チラシ裏面の中央に使われている《赤絵輪連文壺》1958頃
写真がモノクロなので残念なんですが、へー加藤孝造さん
こんな鮮やかな壺も作っているの?ってちょっと驚き。
(抹茶茶碗のワビサビがイマイチわからない私はこういうキレイな壺の方が好き)

加藤孝造氏からは自作の作品だけでなく、師にあたる
荒川豊蔵の作品も寄贈いただいたとのことで、3点並んでいました。

名古屋のギャラリー「ハセガワアート」より寄贈されたという
人間国宝・鈴木藏《志野花器》1980 などや

岐阜県文化振興課より移管という形で収蔵された
鯉江良二《ミザル・キカザル・イワザル》2002
鯉江良二の作品にしてはフツーの直方体の壺っぽい?と見たら、
やっぱり、なんか不思議でしたー

第2章 やきものってなんだ? 陶芸ってなんだ?
~やきものに広がる世界を楽しむ 花井素子


前回の「1964」展の担当学芸員だった花井素子さん
この美術館で一番長い学芸員の方だとか。
部屋の左側に並ぶのが、河井寛次郎、三輪壽雪、塚本快示、小山冨士夫
といった作家の鉢や壺

右側の壁に並ぶのが、森正洋デザインの無印良品の器や、
アラビア社のカティ・トゥオミネン=ニイットゥラ デザインの
プロトタイプ(ストーリーバード)と製品という量産品のやきもの

そして、中央のガラスケースに、
富本憲吉《色絵金銀彩四弁花模様飾壺》1960(チラシ表面3段目)
このキラキラの作品はここでよく展示されていて、
ボランティアスタッフによるギャラリートークで、
当館きってのお宝って話は聞いたことがありましたが、
この美術館で一番高い作品で、購入にあたって議会の承認も受けていると。
5,000万円以上は議会の承認が必要だそうですが、この壺は8,000万円。
議会では壺一つに‥‥って意見もあったそうです。

富本憲吉は奈良のお金持ちの家に生まれて、私費でロンドンへ留学。
ウィリアム・モリスの工芸運動に影響を受けたんだそう。
‥‥あ、そういわれれば、この壺の模様、モリスのデザインと
通じるものがありますね!

第3章 明治陶芸とは何か 立花昭

明治期の超絶技巧って大きな作品が並んでいます。
去年見た「明治有田超絶の美」展のよう。
輸出用、万国博覧会用に、技巧を凝らしたものが作られたのだと。

宮川香山(初代)《浮彫蓮子白鷺翡翠図花瓶》明治時代前期 は、
それまでの輸出用の金をたくさん使ったものは、材料費が高くつくので、
こういった浮き彫りにしたそうなんだけど、
やっぱり手間がかかって高くなったとか。

西浦焼というのを、昨年秋「引き継がれるコレクター魂」展
見に来た時に、ショップのギャラリーで展示してあったのを見て
知ったんですが、今回いくつか展示してありました。
西浦圓治(五代)《上絵金彩染付四季図大長頸壺》明治時代前期-中期
(チラシ表面左上)
写真では大きさがわからないんですけど、まぁ背丈ほども
あろうかって大きさにまず驚きます。武士や鷹などが
描かれているのも日本趣味っぽさを狙ったのかなとか。

第4章 新たな美の生まれるところ 山口敦子

「アール・ヌーヴォーの装飾磁器」展 でも見た
ローゼンブルフのティーポット(チラシ表面右上)や、
コーヒーポット、花器やカップ&ソーサーがとても素敵!!

そして、「フランス印象派の陶磁器」展 で知った
北斎漫画から図柄をとった
フェリックス・ブラックモン
《セルヴィス・ルソー》の皿や脚付鉢もありました。
French-ceramics-3.jpg
(その展覧会でアンケートに答えてもらったポストカード)

第5章 現代アートと陶芸 岡田潔

用を離れた、アートとしての陶芸
2015年の「きになるかたち」展 で展示されていた
(この展示も全て所蔵品で構成されていて、
コレクションの質と量に驚いたんですけど)
kininarukatachi.jpg
中島晴美《反転しながら増殖する形態》2009
(「きになるかたち」展のチラシで使われているのは
《苦闘する形態》1995 の方ですが)
重松あゆみ《骨の耳'92-14》1992(チラシでは一部切れてます)
斎木俊秀《三つ足(フラワーベース)》1995
そして、宇宙服を着た赤ちゃんが3体並んでいる
林茂樹《Q.P》2006
などが展示されていました。
陶芸の技術(土とか釉薬とか)的なことにはあまり興味のない
(わからない)私には、こういう現代アート的な陶芸、面白いです。

第6章 種と大地 林いづみ

一番若い学芸員の方だとか。

杉浦康益のひまわり3部作―ひまわりの花と種ができたところと、
朽ちた殻の姿の大きな陶の作品や、
自然を感じる素焼きの風合いと、ちょっとユーモラスな形の
ユン-ドン・ナム《種》1989
カルロ・ザウリ《耕地》1976 (チラシ表面左下)など、
陶芸って土からできてるんだなーなんて感じる作品が
展示されていました。

第7章 加守田章二の陶芸 顧問 榎本徹

前館長の榎本徹氏が担当した、最後の部屋は、
加守田章二の作品が4点並んでいました。
《灰釉大鉢》1966頃
《曲線文扁壷》1970(チラシ裏面左上)
《彩色角壷》1972年
《壷》1980年
これ一人の作家が作ったの? ってほど違う作品。

陶芸の大家も知らなかった私ですが、
「コレクション×クロニクル」展 で《灰釉大鉢》を見て、
大きな鉢なのに、シャープですごいなーって迫力は感じました。
《曲線文扁壷》もスゴイ‥‥って(語彙が貧しくてスミマセン)
それが《彩色角壷》になると、なんかカワイイ?って感じがして、
最後の《壷》は模様がデザイン的で洗練された雰囲気も。

加守田章二は若くして亡くなられたそうなんですが、
作風の変遷がわかるそれぞれの時代の代表作が
コレクションに入っているのは美術館として誇れることだと。

岐阜県現代陶芸美術館へはもう何度も来てますから、
見たことがある作品も多かったんですが、
やっぱり、コレクションの質と量、すごいです。

そして今回、それぞれの学芸員の興味や研究対象について、
知ることができて、展覧会を見る楽しみが一つ増えた気がします。


今年は桜が早く咲いて、我が家の周辺ではほとんど散ってしまった
状態だったんですが、ここではまだ残っていました。
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山も新緑になりつつありますね。
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駐車場からのギャラリーウォークから見る渓には
ミツバツツジが鮮やかに咲いていました。
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岐阜県現代陶芸美術館の展覧会の過去記事:

岐阜県現代陶芸美術館「1964」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2018-01-28

岐阜県現代陶芸美術館「引き継がれるコレクター魂」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-10-29

岐阜県現代陶芸美術館「明治有田超絶の美」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-09-07

岐阜県現代陶芸美術館「コレクション×クロニクル」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-06-02

岐阜県現代陶芸美術館「ふりそそぐ白の世界」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13

岐阜県現代陶芸美術館「石黒宗麿」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11

岐阜県現代陶芸美術館「土の冒険のぼうけん」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26

岐阜県現代陶芸美術館が主催する魅力発信事業の講演会
佐藤卓講演会「モダンデザインの時代から始まった、デザインに対する誤解。」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-07-14

岐阜県現代陶芸美術館「リフレクション」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17

岐阜県現代陶芸美術館「セラミックス・ジャパン」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16

岐阜県現代陶芸美術館「山田光」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-04-30

岐阜県現代陶芸美術館「アール・ヌーヴォーの装飾磁器」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-04-28

感想が書けておりませんが、
「超絶技巧! 明治工芸の粋」と、
同時開催されていた「吉田喜彦とうつくしいものたち」見てます。

岐阜県現代陶芸美術館「きになるかたち」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-06-27
同時期に開催されていた「リトルガーデン」展のことも書いてます

岐阜県現代陶芸美術館「世界とつながる本当の方法」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-03-20

岐阜県現代陶芸美術館「大織部展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-10-15

大織部展と同時にセラミックパークMINOで開催されていた
国際陶磁器フェスティバル美濃'14
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-10-17

岐阜県現代陶芸美術館「フランス印象派の陶磁器」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-08-30

岐阜県現代陶芸美術館「ラテン!」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-06-18-1

岐阜県現代陶芸美術館「デミタス コスモス」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-06-18

岐阜県現代陶芸美術館「陶芸の魅力×アートのドキドキ」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-07-09

ただ、申し訳ないですが、これらの展覧会、私は岐阜県美術館の
後援会員証で見せてもらっているので、観覧料を払ったことがありません(^^;>
岐阜県美術館後援会の年会費3,000円はなんておトクなんでしょう!!
(岐阜県現代陶芸美術館友の会(一般会員年会費3,000円)に入会されても、
岐阜県美術館の展覧会を各1回ずつ無料で見られますよ!!
どちらも、どなたでも入会できます)

岐阜県現代陶芸美術館: http://www.cpm-gifu.jp/museum/

こども陶器博物館「たじまゆきひこ展」

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うーーん、なかなかブログ書けませんが‥‥
4月8日(日)、岐阜県現代陶芸美術館で
「コレクション×キュレーター」展を見た後、

こども陶器博物館でやっている
「―ファンタジーを染める―
 たじまゆきひこ展
 型絵染と絵本原画」へ行きました。
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各務原市の図書館にこのチラシが置いてあって、
(あ、今頃気が付いたけど、裏面に50円割引券ついてたし、
 JAF会員証でも割引あったみたい)
時間があったら‥‥って思ってたんです。
で、3時半を過ぎた頃だったし、iPhoneの
Google Mapsで検索したら、16分とかって出たので。

でもっ!! それが間違いのモトでしたー
まず、19号線が渋滞していたので、早めに曲がるコースで行こうと
したんですが、曲がる交差点を間違えたりしてウロウロ、そして、
あれ?地図ではここだけど?? って場所で周りを見回すと、
どうやら崖の上に建っている建物がそれっぽい‥‥

子ども陶器博物館のHPの交通アクセスのページに注意がありましたが、
※お車でお越しのお客様へ
『多治見カントリークラブ』への道は当館へはつながっていません。ご注意ください。
当館は「美濃焼卸団地(センター)」というエリアの一角にございます。
この団地へ入る際に曲がる信号は「旭ヶ丘公園前」ですのでおまちがいの無いようお気をつけください。

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あらためてチラシを見て、多治見美濃焼卸センターを検索して
なんとかたどり着きましたが‥‥4時半になってました(T.T;)
まぁせっかく来たんだからと、大人500円の入館料を払って入りました。
(500円は「たじまゆきひこ展」開催中の大人(中学生以上)料金で、
通常の入館料は300円。小学生以下無料)
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たじまゆきひこ(田島征彦)さん、なんか私、田島征三と
ごっちゃになってたんですけど、双子の兄弟なんですね。
今回の展示でも田島征三と共作の絵本『ふたりはふたご』の原画もありました。



日本の土着的なパワーある絵、いいなと思ってましたが、
型絵染めの技法で作られていたって、改めて知りました。

(チラシの裏面の紹介にもちゃんと書いてありますが)
 田島の絵本の特徴は、染色の技法のひとつである「型絵染」が用いられていることです。絵本のテーマに対して数年がかりで取材をし、型を彫り、染の工程を繰り返すことにより、これまでにおよそ30冊の絵本を制作してきました。

え?! それってすごく手間かかってるんですよね?!!
下絵と、それをもとに切って作られた型も展示されていたり、
制作の様子が映像で紹介されていたんですが、
なんとまぁ、手間と時間のかかること‥‥って。

でも、絵本の原画としてはなんかもったいない気もしたなぁ。
チラシ表面上段に使われている劇団・京芸の舞台ドロップ
「陽気な地獄やぶり」1985年 くらいの大きさだと迫力だし、
やっぱり布って素材がいいなって見たけど、絵本くらいの大きさだと、
なんかそこまでの手間かけて‥‥なんて思いながら見てました。

たじまゆきひこの本(楽天市場)







時間がなかったので、あまりゆっくり見られなかったけど、
こども陶器博物館、
いろんなキャラクターを使ったこども茶碗などの展示もありますし、
絵付けを体験できる工房もありましたよ。

こども陶器博物館: http://museum.kanesho.co.jp/

楽天市場にショップがあります。


--オマケ--
展覧会後の楽しみ(え?私だけ)スイーツは、
キャッツカフェのスイートポテトとコーヒー
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セットで788円でした。


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岐阜県美術館「曝涼展」

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4月22日(日)、岐阜県美術館へ行ってきました。

「曝涼(ばくりょう)展」をやっています。
bakuryoten-(1).jpg

「曝涼(ばくりょう)」とは、
天気のよい日に図書や衣類、道具などを日に曝して風をとおす
「虫干し」のこと。

岐阜県美術館は2018年11月4日から1年間、建物のリノベーション期間に入ります。 その間、作品を安全な場所に移動するにあたって、作品を「虫干し」します。 タイトルの「曝涼」とは、天気のよい日に図書や衣類、道具などを日に曝して 風をとおす「虫干し」のこと。収蔵庫から作品を順次「虫干し」のように展示して いきます。中には普段お目にかける機会の少ない作品もあるかもしれません。 何がでるかはお楽しみです。他にも、作品の採寸・点検など作品の 「知られざる日常生活」を合わせてご紹介します。(チラシ裏面の文より)
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‥‥ってことで、まぁこの展覧会、私も岐阜県美術館の後援会員で、
全ての企画展が一度ずつ無料で見られるってことでなければ、
行かなかったかもしれません。この日は岐阜でついでもあったので。
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展示室入口で後援会員証を見せると、
「今回の展示は作品にキャプションがついてないので」と、
出品作品の目録がもらえました。

まず、池田虹影(1892-1956)《家鴨》1912年
飼われている鴨たちが精細に穏やかに描かれていて素敵。
こういう絵、私の好みです。

そして、今村紫紅(1880-1916)《蟠龍》1915頃

垣内右嶙(1825-1891)《楊柳観音》と《山水》
どちらも制作年不詳
このあたりの掛け軸、箱も一緒に展示してあって、
《山水》は箱に書かれているタイトルと違うけど、
収蔵した時――次の展示の垣内雲嶙との作品と共に、高山の
飛騨・世界生活文化センター所蔵だったものが移管された――から
この状態だったとか、各作品に詳しい説明があって良かったです。
学芸員の方の熱意を感じました。
(あ、うろ覚えで書いてますので、間違って記憶しているかもです)

垣内雲嶙(1845-1919)《鍾馗》《水墨山水》《雛図》
雲嶙は右嶙の息子なんだそうですね。飛騨高山の出身で、四条派を学んだと。

狩野伊川院栄信(1775-1828)《松樹棲鶴》《南極壽星》《竹間遊鶴》
三幅対になった掛け軸。
川合玉堂の小学校の同級生で支援者でもあった杉山半次郎氏の息子
杉山勝三氏からの寄贈だそう。

で、次のなんとも上品な中国の人物の絵が、
川合玉堂(1873-1957)《杜子美図》1905
「杜子美」とは杜甫のことなんですね!
次に並んでいた《鍾馗図》1902 も川合玉堂で、共に杉山勝三氏の寄贈。

上品な《杜子美図》とはちょっと違った勢いのある筆の線で描かれた
《鍾馗図》は、杉山氏の息子誕生のお祝いとして描かれたと。
あ、この絵と、川合玉堂が杉山半次郎宛に書いた手紙、
岐阜県美術館で2013年(平成25年)に開催された
「素顔の玉堂~川合玉堂と彼を支えた人びと~」展で見たなと。
(出品リスト見たら、その展覧会に《杜子美図》も出てました)
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2013年の「素顔の玉堂~川合玉堂と彼を支えた人びと~」展のチラシ
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所蔵品展の方でも杉山半次郎氏が収集して勝三氏から寄贈された
杉山半次郎コレクションが展示されていて、
玉堂の《藍川漁火図》1893 《晩帰》1899頃 などや、
松尾芭蕉の真跡《山かげや》1688 も展示されていました。

杉山半次郎氏(1873・明治6-1960・昭和35)は、
岐阜市の杉山半七(はんしち)の長男として生まれ、 後に半七が金華山(きんかざん)のふもとで営む料亭旅館「萬松館」(ばんしょうかん)を継ぎました。 長良川の鵜飼を見るために岐阜に訪れて萬松館に滞在した文化人は数多く、 風流を好んだ半次郎は玄中庵(げんちゅうあん)と号して、それらの美術家や文学者と 交友しました。特に川合玉堂とは、岐阜尋常高等小学校(現・岐阜市立岐阜小学校)の 同級生でもあり、親しい付き合いでした。その後、杉山家は萬松館の経営から 離れましたが、半次郎氏と玉堂との交友関係は晩年まで続いていたことが 書簡から確認できます。
(所蔵品展の出品リストより)

ついでに‥‥2013年「素顔の玉堂」展と同時期に、
玉堂の生誕地に建つ「一宮市立玉堂記念木曽川図書館」でやっていた
「川合玉堂 ふるさとの風景」展
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今は閉館した大松美術館所蔵の玉堂作品なども多く来ていました。
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玉舎春輝(1880-1948)《磯辺》1933 四曲の低い屏風
海がリアルだけど、詩情が感じられるように描かれていていいなと。
玉舎春輝の《貴妃追夢》1925 は所蔵品展でよく見るけど、
この《磯辺》は初めて?かな。新しく作られたという
収蔵する箱も展示されていました。

そして熊谷守一(1880-1977)の墨画淡彩の掛け軸が5点!!
いいなぁ、守一。3羽の鵜が木にとまっている《鵜》1950年代 なんて、
思わず笑っちゃう。

川崎小虎(1886-1977)の房州や水郷でのスケッチシリーズが並んでいました。
‥‥うーん、私はどうも川崎小虎の絵はそんなにいいと思わないんですけどね。

そして展示室のコーナーには大きなビニール袋のテントがありました。
作品の燻蒸をするための装置。
今は昔のように有害な薬剤は使わず、窒素ガスで害虫を駆除するのだそう。

次の部屋には
土屋禮一(1946- )のわりと大きめの日本画が6点展示されていました。
土屋禮一氏の絵は《時》《輝》《水たまり》《映河》というタイトルからも
わかりますが、水に映る空とか、どこか普遍的な風景(の一部)、
茫洋とした‥‥ちょっと抽象画にも見えてしまうような、そんな雰囲気が
いいですね。

李禹煥(リ ウーファン)(1936- ) の3枚組の大きな作品《風と共に》1987
ブルーの線が並んだ《線より》は所蔵品展でわりと見るけど、
こんな大きな作品も持ってたのねーって。

白髪一雄(1924-2008)《地魔星雲裏金剛》1960
足で描く画家の迫力のある絵。赤い絵の具が強烈です。
(公材)岐阜県美術振興会・安藤基金より寄贈された作品
岐阜県美術館には安藤基金から寄贈された現代美術の作品が多くあります。

傍島幹司(1960- )《赤と白の時間》2003 赤い画面に白い人物
人物に頭がない? 足も3本ある?? みたいにも見えて印象的な作品だった。

チラシ裏面の右2段目に使われている変形キャンバスの作品
奥村晃史(1972- )《地上の食卓》2009 

岐阜県美術館「Artのメリーゴーランド」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2010-01-10
奥村晃史さんが紹介されて、この絵も展示されていたので、
展覧会の後で美術館が購入したのかと思っていたら、
目録の寄贈者の欄に藤原洋氏ってありました。

奥村晃史さんは各務原市生まれ・在住の方なので、
各務原市中央図書館で展示されたこともあります。
奥村晃史展「すごいどうぶつ」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-02-22

そして展示室のコーナーに大きな机や箱などがあり、
日比野克彦(1958- )の作品が無造作に置かれていたりします。

作品の採寸・点検など、普段バックヤードで行われている作業を
紹介するコーナー。

ブログに記事が書けてないのですが、去年9月8日(金)~10月29日(日)に
岐阜県美術館で開催された「BY 80s FOR 20s」展で、
日比野克彦の《SWEATY JACKET》1982 が展示されていて、
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作品のバックのパネルで保存と修復について説明がありました。
段ボールでできているこの作品、経年劣化が進み修復が必要なんですが、
作者である館長の日比野克彦氏が修復するのはダメなんだそうです。
それは「再制作」になってしまうからと。
でも作家がどうやって制作したか、詳しいことが聞き取りできるのは
修復にはすごくいいことだと。

(この展覧会、日比野克彦の作品等が撮影可でしたし、
 日比野克彦氏の解説も聞いたし、ブログ記事にしたかったんですけどねー)

その時、「日本には海外の美術館のように専門スタッフを配置している美術館は少ない。 その中で、岐阜県美術館は保存を専門とする者と修復を専門とする者がいる、 全国的に見ても稀な美術館」だと知って、へーって感心したんですが。
そして監視係の方が書いた『ミュージアムの女』で、
岐阜県美術館では「監視業務の専門職になるには『学芸員資格』という 資格を有することが条件のひとつとして求められています。」って知って
ますますすごいって感心しました。

ミュージアムの女

ミュージアムの女

  • 作者: 宇佐江 みつこ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/09/27
  • メディア: 単行本



チラシ裏面に使われている幸野楳嶺(1844-1895)《四季草花図屏風》明治期
竹内栖鳳や上村松園、川合玉堂の師として有名な人ですね。

正直、古い小さな屏風‥‥くらいにしか見なかったんですが。
対になった片方が箱に入れられた状態で展示してあって、
へーこうやって保管してるのねと。

宗廣力三(1914-1989)の絣の着物が展示してあり、

荒川豊蔵(1844-1895)の茶碗が箱などと共にいくつか並んでいました。
地震の多い日本で、古くからの陶器が守られてきたのは、
箱文化によるところが大きいと。

並んでいる茶碗の箱を包む布が同じで、それに茶碗の写真の
カードがつけられていて、すごく大切に扱われていたんだなぁと、
感心しました。このあたりの荒川豊蔵の陶器、目録に
寄贈・高井備克氏とありました。

小山冨士夫(1900-1975)や林景正(1891-1988)の茶碗も
高井備克氏寄贈ってなってました。

山田喆(やまだ てつ)(1898-1971)の茶椀は寄贈・山田光氏
息子なんだ。

この展覧会「収蔵庫から作品を順次『虫干し』のように展示していきます。
なにがでるかはおたのしみ」ってことで、ここにレポートした作品も
展示替えされているかもしれません。
「あの作品が見たい」という目的を持って行く展覧会ではないですが、
岐阜県美術館の多彩な作品を、へーこんな作品も持ってるのね。
この作家いいなぁーなんて、掘り出し物を見つけるようなカンジで
ふらっと行ってみるのも楽しいですよね。なにより、
GW中も混雑とは無縁だと思われますし(笑)

ということで展示室を出て所蔵品展(「曝涼展」も所蔵品展なんですけど)へ。
展示室1-A室とB室を使って、坂倉新平の作品がずらりと並びます。

岐阜県美術館で2003年に開催された「クロスアート展」で、
天野裕夫と坂倉新平が紹介されていて、私、この展覧会で天野裕夫を知って、
すっかりファンになったんですよね。

今年2月に、瑞浪市陶磁資料館へ行った時、隣の市之瀬廣太記念美術館へ
行ったら、天野裕夫の彫刻がたくさん置いてあって、おまけに撮影可で
狂喜したことはこちらの記事に:
瑞浪市市之瀬廣太記念美術館の天野裕夫彫刻
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2018-02-20

坂倉新平(1934-2004)の方は‥‥正直よくわからなかったんですが、
図録は自動的に2人がセットになっていたので。
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今回の展示見ても、ブルーが気持ちのいい絵だなってのもありましたが、
SakakuraShinpei-(2).jpg
この《ブルーの根源-2》1998 とか、いいなって見ましたが、
やっぱり、よくわからないーって作品もありました。

ルドン部屋(って私が呼んでいる)展示室1-Cは、
ルドン(1840-1916)の絵やリトグラフをはじめ、
ピカソ、ブラック、ミロなども並んでました。
ルドンの油絵《アポロンの戦車》1906-07頃 の前にiPadが置かれていて、
タッチして絵にかざすと、絵の解説や絵の裏側の画像を見ることができました。
部屋の反対側の油絵の前に置かれたiPadでは、紫外線や赤外線撮影した
絵を見ることができたりと、ハイテク(って死語?)を使った試みも面白かった。

展示室1-Dは「杉山半次郎コレクション」上にも書きましたが、
川合玉堂の小学校の同級生で支援者でもあった杉山半次郎がコレクションして
岐阜県美術館に寄贈された作品が展示されていました。

展示室1-E 「志野三昧」
荒川豊蔵をはじめとする、志野の作家の作品が並ぶ、まさに「志野三昧」展
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 昭和5年(1930年)、荒川豊蔵が、岐阜県可児市の久々利大萱牟田洞で 志野の陶片を発見しました。これを機に、志野や黄瀬戸、瀬戸黒、織部と いった桃山から江戸初期のやきものが、美濃の地で焼かれたことが実証されました。
(志野三昧リーフレットより)
ってことは、岐阜県美術館の所蔵品展で
荒川豊蔵の茶碗と共に紹介されてたので知っていました。

リーフレット左が荒川豊蔵《志野茶碗 銘早春》1978-79
志野っていうと、こういう茶碗をイメージしますよね。
私もこういう茶碗好きだけど、あまりにありふれているというか、
茶道の体験などでよく使われているフツー(?)の志野茶碗と
どう違うのかなぁとか。(多分お値段はゼロが2つか3つくらい違いますよね?)

そして、へーこういうのも志野なの??って(私やきものは詳しくないんです)見た
上段の 鈴木藏(1934- )《志野花器》1985 とか、
下段の 加藤孝造(1935- )《志野陶筥》1985 なんて面白いって見ましたし、

私が岐阜県現代陶芸美術館のショップで、この人の作品欲しいなぁーって見てた
酒井博司(1960- )の《藍志野花器》2012 が出てました。

リーフレットで、酒井博司は志野の第三世代って知りました。
荒川豊蔵に始まる、加藤景秋、加藤清三、奥磯栄麓といった第一世代、 現代の美濃焼を支える鈴木藏、若尾利貞、加藤孝造、安藤日出武、吉田喜彦、 豊場惺也ら第二世代、そして21世紀に新たな志野を模索する酒井博司、 安藤工、加藤亮太郎の第三世代まで、当館の所蔵品を中心に新作も含め、約50点を ご紹介します。」

と、岐阜県美術館の多彩な所蔵品楽しみました。これだけの展覧会が
「曝涼展」の観覧料一般500円で見れちゃいます。大学生400円、高校生以下無料。
(「曝涼展」を見なかったら一般320円、大学生220円、高校生以下無料)

--オマケ--
岐阜県美術館の後はいつもの敷島珈琲店へ。
ここのホットケーキ大好きなんですが、今日は
季節限定メニューの「苺のパフェ」760円を。
2018-4-22-(33).jpg
これにコーヒーを付けて1,000円でした。


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市之倉さかづき美術館のランチと天光の湯の福祉風呂

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ゴールデンウィークも終わりましたね。いかがお過ごしでしたか?
私はGW中も、普段と変わりなく、パートは定休日の日曜が休みで、
途中にシフトで5月1日(火)が休みでした。

例年、大型連休中は母のディケアが休みになって、
お風呂の間隔が開いてしまうので、
海津温泉ふくしの湯へ行っているんですが、
今回はちょっと変化をつけてみようかと、ネットで検索して、
多治見の天光の湯に福祉風呂があることを知り、
5月6日(日)の予約の電話をかけました。

昼1時か2時を希望したのですが、もう埋まっていて
3時なら予約できるってことで。

ということで、天光の湯の食事処でお昼を食べると、
風呂の時間まで持て余すかなぁと、ランチのお店を探してネットを
見ていて、天光の湯の近くに「市之倉さかづき美術館」があり、
敷地内に石釜ピッツァのレストランがあることを知って、
なんとなく、こういうところならバリアフリーっぽいかな?
なんてカンジで、特に予約もせずに出かけました。

道は多治見ICの交差点を南へ直進(国道248号線)
バロー多治見南店の信号を左折すれば天光の湯。

そのまま道なりに進んで山を越えると、左手に
市之倉さかづき美術館があります。
交通標識などもしっかりあるのでわかりやすいです。

市之倉は多くの窯元がある陶の里。
日本最大級の生産量を誇る美濃焼陶産地の中でも山間の小さな集落で、交通の便が悪く良質の原料に乏しかったので、少量の土で作ることができ、運びやすい盃や煎茶器の産地となりました。
(市之倉さかづき美術館HPより)
その産業観光の拠点となるべく2002年に開館したのが
「市之倉さかづき美術館」とのこと。
私は、岐阜県現代陶芸美術館へは何度も行ってますが、
ここは初めてです。

GWだし、混雑が心配でしたが、えっ?今日休館日だった? って
思ってしまったほど駐車場も閑散としておりまして‥‥
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こちらが敷地内にあるレストラン「石窯ピッツァ moon」
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12時半頃だったんですが、待っている人もなく、スムーズに
テーブル席につけました。

天井の高い、蔵を思わせるような造り。
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ピッツァを焼く石釜
2018-5-6-(4).jpg

ランチは、
4種類のピッツァと3種類のパスタの中から1種類を選び、
それにサラダ&デザートバー・ドリンクバー付きで1,500円

和風のごぼう入りピッツァと、きのこの和風パスタを選びました。

サラダを盛ってきました。
2018-5-6-(1).jpg

あ、パスタの写真を撮らずに分けて食べてしまってた(^^;)
和風のごぼう入りピッツァは、
薄いパリパリの生地に、ごぼうが美味しかった。
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サラダ&デザートバーで、フルーツや、コーヒーゼリーと林檎のゼリーを
いただきました。
2018-5-6-(5).jpg

ドリンクバー
「デトックスウォーター」と表示されていたレモンやオレンジ入りの
ドリンクが優しい味で美味しかった。
ホットコーヒーやアイスコーヒーもいただきました。
2018-5-6-(6).jpg



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まだ時間があったので、身障者用トイレもある美術館棟へ。

入館料のかかる美術館まではいいかなと。

ミュージアムショップだけでもかなり広くて、
棚ごとに、作家さんの作品がプロフィールと共に並んでいたりしました。

値段も、作家さんの作品にしては手頃な‥‥
マグカップ2,160円(税込)なんてのには、ちょっと心が動きましたが
これだけたくさんあると、かえって目移りして迷ってしまうというか‥‥

デイケアで絵手紙を始めた母は、自分の名一文字の落款印を買ってました。

東濃が舞台になっているNHK朝ドラ「半分、青い。」のクッキー
(正確には「青い、岐阜」クッキー)も売っていて、お土産に買おうかって
なったんですが、温泉でも買えるんじゃない?って
(天光の湯にはなかったので、ここで買っておかなかったこと後悔しましたー)

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市之倉さかづき美術館の駐車場には、花や菓子などの出店も出てたんですが、
この人出では気の毒というか‥‥ これは連休最終日だから??
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さて、天光の湯へ。
福祉風呂の予約は3時でしたが、30分以上前に着いてしまいました。
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とりあえずフロントで受付を。
入館料は大人1人800円と、福祉風呂は別途1,000円(1室1回)の利用料が
かかります。(2人で計2,600円)

他の日帰り温泉に比べると少し高めかな。
(海津温泉は、大人520円がJAの割引で420円で入れてもらってましたから)

でも、大きな花瓶に花が生けてあったりと、高級感が感じられる
新しくてキレイな設備でした。
入館料が高めなせいか? 連休最終日のせいか? あまり混んでなくて、
(駐車場には結構車停まってたんですけど)
贅沢な気分になれました。

3時15分前くらいに「福祉風呂空きましたが入られますか?」と。
もちろん! と、案内してもらいました。

福祉風呂は1室のみのよう。利用は1時間以内で。
トイレも付いているのがいいですね。
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ただ、脱衣所から洗い場まで結構距離あって、手すりがないんですよね。
車椅子を貸してもらってるからいいんですが。
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シャンプー・コンディショナー・ボディソープは2種類備え付けてありました。

お湯は無色透明のさらっとした湯
大きな窓から新緑の木々を見ながら、贅沢な気分になりました。
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出る時は内線電話でフロントに連絡します。

天光の湯、高級感ある施設なんですが、売店というほどの場所はなくて‥‥
(市之倉さかづき美術館のショップで「青い、岐阜」クッキーを買っておかなかったことを後悔)

「からすみ」があったのでお土産に買いました。
東濃地方で「からすみ」というと、ボラの卵巣を塩漬にした珍味ではなく、
米粉を練り上げて蒸したお菓子のこと。
名古屋の「ういろう」みたいな味ですかね。
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そして、多治見のキャラクター「うながっぱ」まんじゅうがあったので
買っちゃいました。

中身はよくあるまんじゅうなんですが、やっぱりキャラクターが
ついていると買っちゃいますよね。
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今回の母とのお出かけはランチも温泉もちょっと贅沢しちゃいました。
(全部母持ちですが(^^;>
GWとは思えないゆったりとした時を過ごさせてもらいました。

市之倉さかづき美術館: http://www.sakazuki.or.jp/
石窯ピッツァ moon: http://www.moon-t-f.com/
天光の湯: http://www.tenko-spa.jp/



母と出かけた過去記事です
今年1月3日に、母と海津温泉へ行き、
木曽三川公園センターの展望台に上ったことを書いてます。
2018年あけましておめでとうございます
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2018-01-03

昨年のゴールデンウィークは、
海津温泉へ行く途中の羽島で食事して、
竹鼻別院の藤を見ました。
れんこんカツ丼と竹鼻別院の藤
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13

最初に海津温泉に行った時のことはこちらに
車椅子の母と海津温泉へ
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-01-05

インスタ始めました!

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今頃?‥‥ってカンジもしますが、インスタ、
正式にはインスタグラム instagram 始めてみました!!
instagram-logo.jpg
https://www.instagram.com/

2017年の新語・流行語大賞年間大賞に
「インスタ映え」という言葉が選ばれたくらい、
世間に浸透していますよね。

何をするのも遅い私のこと、最近はブログの記事も
なかなか書けないし、ブログより簡単に書けるかなって
始めたツイッターも、なかなかツイートできない状態です。

ツイッター始めたのっていつだったっけ? 確か記事も書いたハズと、
ブログ検索したらありました

ツイッター始めました
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-02-19

2011年かぁーー
でもツイッターは情報の収集等にはとても便利ですね。
今は世間で何が起こっているのか、新聞よりツイッターで
知ることが多くなりました。で、ついつい見ていて
気が付いたらずいぶん時間経ってたりするんですけど。

なので、インスタまで手を広げようとは思ってなかったんですが、
我が家のバラが咲く季節になりまして、バラの写真を撮ることも
多くなったんですよね。でも、最近はブログの記事、
美術展の感想とかが多くなって、一つの記事が長くなってきて、
なかなか書き終わらないんですよね。そんな中に、
バラの写真だけの記事って、なんか抵抗があって‥‥

たまたま他の方のインスタのページを見て、
こういうの、私にもいいかも! って思いまして。
でもそれまで、インスタのやり方って知らなかったので、
ちょっと驚いたのが、写真の投稿をスマホからやるんだってこと。
(裏ワザ的?なことをすれば、PCからでもできるそうですけど)

インスタのプロフィール写真を設定するところまではPCでできたんですが
(ブログと同じプロフィール画像使っちゃいました。
profile.jpg
もう13年前に作った画像なので、ここに描いた猫のうち、
まだいるのは一番後ろにいるタビだけですし。
そろそろブログも含めて変えた方がいいかなぁとか思いながらも)
写真の投稿はスマホからってことで、iPhoneでアプリをダウンロードしました。

アプリで写真を選ぶのに、写真は新しいものから表示されるので、
インスタに載せたい写真を選ぶのに迷いました。
同じ写真をアップしてしまい、気付いて削除したり‥‥
撮ってスグにアップするようになればいいんでしょうけど。

とりあえずこんなカンジで私のインスタのページができました。
insta-s1.jpg
insta-s2.jpg

私のインスタのページ: https://www.instagram.com/shizukozb/

他の方の写真を見たりしているうちに、
ハッシュタグ(#)をつけることも覚えました! (←常識ですよね)

そうしたら、「〇〇さんがあなたの投稿に『いいね!』しました。」って
お知らせがポツポツ入ったりしてくるようになって、
へーー結構反応あるんだーって。
人付き合いの悪い私には、フォローとかまだよくわからないですけど。


ハッシュタグで検索すると、オシャレな写真がずらっと並んでいいですね!!
私はスマホのアプリより画像が大きいPCで見る方が好きなんですが。

#バラ で検索すると‥‥(以下、あくまで私が検索した時点の画像ですが)
insta-rose.jpg

#パパメイアン
insta-papameilland.jpg

#ピエールドゥロンサール
insta-PierredeRonsard.jpg

#ペッシュボンボン
insta-pechebonbons.jpg

#デルバール
insta-delbard.jpg

#イングリッシュローズ
insta-englishrose.jpg

#豊田市美術館
insta-toyotamuseum.jpg

昔、マンガやイラストの資料にしようと、
画像を図書館や本屋で苦労して探したり、
雑誌などから素敵な写真を切り抜いて保存していたことを思うと、
すごい時代になったものだ‥‥なんて感慨にふけってしまいます。

インスタ、意外と私にはあってるかなーなんて気がします。
去年の秋に買ったデジタル一眼( CANON EOS M6 )
もう少し使えそうかなぁとか。

そういえば、2005年にこのブログ始めた時には、
猫や花の写真をネットにアップできたらいいな、
「続くかな?」なんて、軽い気持ちで始めたんでした。

よろしければ、私のインスタのページも見てくださいね。
https://www.instagram.com/shizukozb/

名古屋市美術館「モネ それからの100年」展

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5月22日(火)、名古屋市美術館へ行ってきました。
「モネ それからの100年」という展覧会をやっています。
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この日は、パートの休みで、例年この季節に開催される
恩師のグループ展が名古屋市民ギャラリー栄で始まっていたので、
名古屋まで出かけて、ついでにチケットを買ってあった
この展覧会を見て来ようと出かけたのでした。まぁ私のことなので、
出かけたのが昼でしたし、市民ギャラリーでは先生にお会いすることも
できて、すっかり話し込んでしまいましたし、ついでに‥‥って
市民ギャラリーの他の展示室も見て回って、気が付いたら3時を回っていて、
急いで名古屋市美術館まで歩いたんですが、3時半を過ぎちゃってました。
名古屋市美術館は5時までなので、日を改めた方がいいかなとも
思ったんですけど。

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さすが人気のあるモネだけあって、「真島直子展」等では閉まっていた
外のチケット窓口が開いています!

展示室の入口のこのパネルは撮影可でした。
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でも、モネの絵目当てで行く人には、ちょっと
物足りないというか、不満のある展覧会かも‥‥なんて
思っちゃいました。

モネを印象派の巨匠を超えて、現代美術の創始者としてとらえ、
(確かに、モネの晩年の作品は抽象絵画のようにも見えますね)
モネに影響を受けた現代アートと共に展示されています。

私この頃やっとモネの良さってわかってきたんですが、
以前はモネの作品のタッチの荒さや、描きかけじゃない? なんてところが
どうも気になっちゃってダメだったんですよ。

モネの絵は今でこそ大人気だけど、初期の“印象派”って言葉は、
悪口だったんですよね。そしてチラシ裏面の文章にありますが、
monet100-2.jpg

モネが現在パリのオランジュリー美術館の壁面を飾っている睡蓮の大作に取りかかるのは、 ちょうど100年ほど前のことです。画家が没した翌年の1927年にこの睡蓮の壁画が公開された時、 人々の反応は今では考えられないほど冷淡なものでした。それから20年余、あまりに時代に 先んじていたモネの斬新な絵画表現は次第に理解者を増やし(後略)」

なるほど、私の感覚ってやっと印象派を認めたあたりの古さ、
100年遅れているのかなーと。

ということで、この展覧会、モネの作品、現代アートとの
からみ(?)で展示されているので、その分モネの絵の点数が少ないのと、
(22日の名古屋市美術館では25点展示されていました)
展示されているモネの絵も、印象派の光キラキラの絵というより、
色とタッチがバラバラになったような、描きかけのような印象の絵とか‥‥

展覧会の公式サイト: http://www.chunichi.co.jp/event/monet/
見どころ」のページに http://www.chunichi.co.jp/event/monet/highlight.html
並んで紹介されていますが、
《ヴィレの風景》1883年 と
丸山直文《puddle in the woods 5》2010年
なるほど、なんか似てますね。

光や水、大気など、形のないものを描いた、なんだかぼんやりした絵‥‥
あ、でもこの展覧会で、
メナード美術館所蔵の《チャリング・クロス橋》1899年 と、
吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)所蔵の
《テームズ河のチャリング・クロス橋》1903年 が並んでいるのを見て、
この2つの絵いいなぁーって感じました。
(今までモネのこういうぼんやりした絵ってよくわからなかったんですけど)

この展覧会、ほとんどの作品が日本国内の美術館等のものなんですね。
いろんなところから借りて大変(?)だったろうなぁ、そして、
モネの作品を所蔵している美術館の多さ! 日本でのモネ人気がわかります。
(モネが多作で長命だったってこともあるんでしょうが)
でも、もっといい絵(?)あるんじゃない?と。

以前、ここでポーラ美術館の展覧会を見たけど、

名古屋市美術館「ポーラ美術館コレクション展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-01-23

目玉(?)になってたモネの睡蓮の絵、素敵でした。
(この時買ったこの絵を使ったチケットホルダー、まだ使ってます)
monet100-4.jpg

今回、ポーラ美術館から2点モネの絵が出てるんですが、
その絵は来てないんです。来たのは、
チラシ裏面に載っている
《ヴァランジュヴィルの風景》1882年
葛飾北斎の浮世絵の構図から着想を得ていると説明がありました。

《セーヌ河の日没、冬》1880年
最初の妻カミーユが亡くなった後、悲しみに沈んでいたモネが
再び制作に向かう希望をこめて描いたものだとか、
モネの画歴の重要な絵なんでしょうが‥‥

やっぱりモネは睡蓮ですよね!!
で、その睡蓮の絵、チラシのメインビジュアルに使われているのは
吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)の《睡蓮》1906年
チラシでは、いかにもモネってイメージの絵で、素敵だなぁって見てましたが、
実物を見て、一瞬、え? この絵よね?? って思っちゃった。
なんだか印刷の方がよく見えたというか、実物のマットな画面が、
ちょっと白っぽく見えちゃったみたいな‥‥もう一度見て、
やっぱり素敵だと見直しましたけど。

うーん、ここに並んでいる睡蓮の絵もいいけど、
去年秋に行ったアサヒビール大山崎山荘美術館にあった
モネの睡蓮の絵、結構大きくて素敵だったなぁと。
京都の町家に泊まる同窓会旅行(2)聴竹居と大山崎山荘美術館
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-11-09

あ、でも私、モネの絵目当てってほどでもないので、
展示されていた現代アート、結構面白く見ましたよ。

ルイ・カーヌって作家は、名前も初めて知りましたが、
金網の上に置かれた絵具が影になって映っている絵とか、
絵具と投影された色とのイメージ、面白いなぁと。

岡崎乾二郎のものすごーく長いタイトルの絵の具の透明感もいいなと。
展示してあったのは、東京都現代美術館所蔵のものでしたが、
岡崎乾二郎のこんな絵、愛知県美術館のコレクション展で見て、
それらにも長~い詩のようなタイトルがつけられてて面白いと思ったっけ。

愛知県美術館コレクション展「蕪村・若冲と江戸時代絵画」他
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-04-09

2階の展示室に並んでいたリキテンスタインのモネの積みわらを
モチーフにした連作版画、複製技術が発達した今だったら、
誰でも作れそうwwなんて思いながらも、いいなって見ました。
所蔵が富士ゼロックス株式会社ってのも興味深かった。
アンディ・ウォーホル《花》も、富士ゼロックスの所蔵品なんですね。

現代アートには映像作品もあって、水野勝規のモネの池
(キャプションには岐阜の貯水池としか書いてなかったけど)
を素材にした映像とか、水の揺らぎの映像とか、見てて気持ちよかった。
(モネの池、ウチからわりと近いのに行ったことないんです。
 ものすごく混んでいるってことだけど、一度行って来なくてはww)

水野勝規の作品は、以前、愛知県美術館で見たことがあります。
2012年に愛知県美術館へポロック展を見に行った時に、
新進作家を取り上げている展示室6で《ライトスケープ》という
テーマ展をしていて、白い部屋に白っぽい映像が癒されるーと見ました。

そのことをこちらにちょっと書いてます
愛知県美術館「ジャクソン・ポロック展」の周辺
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-01-12

モネ大好き! モネの絵を見たい! って人には不満のある展覧会
かもしれませんが、現代美術へとつながっていくモネの影響の大きさ、
ちょっと新しい視点でモネや現代美術を見ることができる
面白い展覧会だと思いました。

子ども用にモネを紹介したリーフレットも良かったです。
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名古屋市美術館: http://www.art-museum.city.nagoya.jp/
展覧会公式サイト: http://www.chunichi.co.jp/event/monet/


企画展示室を出ると4時半を過ぎていて、地下の常設展は、
展示室3の「北川民次とメキシコの教え子たち」だけは
なんとか見ましたが、他は入場時間を過ぎていたので‥‥。
チケットに常設展の方が残っているので、ついでがあれば
行ってきたいとは思ってますが‥‥

名古屋市美術館の次の企画展は
「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」
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チケット買ってあるんです。楽しみー

豊田市美術館「ブリューゲル展」

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なかなかブログが書けないのですが、5月13日(日)に、
豊田市美術館へ行ってきたことを。

「画家一族 150年の系譜
 ブリューゲル展」をやっています。
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16世紀フランドルを代表する画家、ピーテル・ブリューゲル1世に始まり、 150年にわたって画家を生み出した、ブリューゲル一族。その系譜を 辿りながら、風景画、風俗画、花の静物画など、一族やその追随者たちが 手がけた作品を通して、16、17世紀フランドル絵画の魅力に光をあてます。
(チラシ中面より)
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チラシ中面のデザイン、家系図とからめていて、いいですね。
(クリックで拡大します)

《バベルの塔》や、農民の生活を描いた《農民の婚宴》《雪中の狩人》、
中野京子著『怖い絵』で取り上げられていた《ベツレヘムの嬰児虐殺》で
有名なブリューゲル(1世)ですが、彼には同名の息子(長男)がいて、
父親の作品を多く模写しているんですね。
次男ヤン・ブリューゲル(1世)も画家で、花の絵を多く描いたことから
「花のブリューゲル」と呼ばれるそう。
そしてその息子(ピーテル・ブリューゲル1世からいうと孫)
ヤン・ブリューゲル2世も画家、
その息子(ピーテル・ブリューゲル1世のひ孫)
アブラハム・ブリューゲルも画家、という画家一族。
(同じ名前の人がいてややこしいですが)

通常観ることのできない貴重なプライベート・コレクションで、
ほとんどが日本初出展だというこの展覧会、
チラシもA4二つ折りで力入ってます!
表面に使われているのが、ピーテル・ブリューゲル2世の
《野外での婚礼の踊り》(部分)1610年頃

裏面がヤン・ブリューゲル1世、ヤン・ブリューゲル2世
《机上の花瓶に入ったチューリップと薔薇》(部分)1615-1620年頃
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ブリューゲルの絵見たかったので、この展覧会楽しみにしていました。
それに、豊田市美術館は、去年、奈良美智展に行った時に、
年間パスポート買っちゃったんですよ!!ジャコメッティ展もあるしって。
その後の「ビルディング・ロマンス」展は行けなかったんですが、
今回の展覧会へ行って、しっかりモト取れました!!
(奈良美智もジャコメッティもすごく良かったのに、ブログに感想が
書けておりません。あまりに素敵だと、力入れて書かなくちゃと
思っちゃうので、かえって書けないんですよねー。で、今回も
そうなりそうだったんですが、頑張って?書きます!)

5月13日(日)は大雨でした。でも館内はそこそこ混んでおりました。
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受付で年間パスポートを提示して、観覧券を受け取ります。
私は普段あまり音声ガイド借りないんですが、今回は
宗教や中世の風俗など説明してもらった方がいいかなと
奮発しちゃいました。520円
私は声優さんとか全く知らないのですが、ナレーターは石田彰さんだそう。
ブリューゲル一族の工房の一人って設定で、当時の工房で絵がどのように
制作されていたかなんてことも説明してくれて興味深かったです。


第一章「宗教と道徳」
ヒエロニムス・ボスが下絵を描いた版画と、
ピーテル・ブリューゲル1世が下絵を描いた版画が展示されていました。
なるほど、ブリューゲル1世が「第二のボス」と呼ばれたのも納得できます。
でも、ボスが社会を痛烈に批判したのに対して、
ブリューゲル1世はユーモアにつなげているようなところがあると。

第二章「自然へのまなざし」
ピーテル・ブリューゲル1世、ヤーコブ・グリンメル
《種をまく人のたとえがある風景》 1557年
手前に種をまく人が描かれています。種を道端にまけば鳥に食べられ、
石の上にまけば枯れ、イバラの間にまけば育たない。
良い土地にまけばたくさんの実を結ぶ。
つまりちゃんとキリストの言葉を聞きなさいという教えを描いているそう
なのですが、バックの雄大な山や大河の風景の方に目が行ってしまいます。

第三章「冬の風景」
ピーテル・ブリューゲル2世は、父の作品のコピーを多く制作したそう。
そんな作品《鳥罠》1601年(チラシ中面2段目左)
いかにもブリューゲル!って冬の風景
絵の中に鳥を捕るための鳥罠が描かれていたり、氷に穴が空いていたりと、
注意しないと人生は危ない、なんて寓意も含まれているのだそう。

第四章「旅の風景と物語」
ピーテル・ブリューゲル1世が下絵を描いた版画
《イカロスの墜落の状景を伴う3本マストの武装帆船》1561-1562年頃
当時の帆船がとても正確に描かれているそう。
そんな中に神話の一シーンが描き加えられています。

ヤン・ブリューゲル1世や2世が茶色のインクで描いたペン画、
なんかマンガの背景みたいwwなんて。

第五章「寓意と神話」
ヤン・ブリューゲル1世《ノアの箱舟への乗船》1615年頃(チラシ中面右上)
これ、私にはノアの箱舟がどこにあるのか、よくわからなかったんですよね。
横で見ていた人(全く知らない人だったんですけど)に
「ノアの箱舟がどこにあるかわかります?」なんてささやいてしまいました。
その人も「私もどれなんだろう?って見てたんですよ」と。

ペーテル・パウル・ルーベンスと工房、フランス・スナイデルス
《豊穣の角をもつ三人のニンフ》
並んでいる絵がどちらかというと小さめで、人物なども小さく描かれていて、
絵のあちこちを謎解きのように見て楽しんでいた中で、
この絵だけ見上げる大きさ(207×153cm)!
豊満な半裸の美女たちがバーンと描かれていて目立ってました。
さすが、ルーベンスの工房で描かれたんですね!

第六章「静物画の隆盛」
なんと!! 第六章と第七章は撮影可!!!だったんです。
5月31日まで、ってことでしたが、さっき豊田市美術館のHP見たら、
6月17日(日)まで延長されたそうです!!

花の絵を多く描いたことから「花のブリューゲル」と呼ばれる
ヤン・ブリューゲル1世(1568-1625)

ピーテル・ブリューゲル1世(1525/30-1569)の次男で、長男(ヤンの兄)の
ピーテル・ブリューゲル2世(1564-1637/38)が父親のコピーを多く制作したのに比べ、
ヤン・ブリューゲル1世は父親の模倣にとどまらず、独自の道を進みました。
その作品は貴族等に人気で、高値で売れたので、生活に困窮した兄とは
暮らしぶりもだいぶ違ったそう。ルーベンスとの交流もあったと。

そのヤン1世と息子が共作した花の絵。チラシにも使われています。
《机上の花瓶に入ったチューリップと薔薇》1615-1620年頃
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珍重された縞模様のチューリップは、ウィルス性のモザイク病によるものだそう。
トンボや蝶や蜂などの昆虫も描き込まれています。
季節が違う花も一緒に描かれているので、そのまま写生したわけではないのですね。

ヤン・ブリューゲル2世(1901-1678)
《籠と陶器の花瓶に入った花束》1640-1645年頃
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描かれているコロンとしたオールドローズ、私の好みです!!

ヤン・ブリューゲル2世、フランス・フランケン2世
《彫刻と鍍金の施された花瓶に入った花束》1625-1630年頃
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花瓶も豪華だし、花も豪華!
この時代は共作で絵を仕上げることもよくあったみたいですね。

アンブロシウス・ブリューゲル(1917-1675)
ヤン・ブリューゲル1世の息子(ヤン2世とは母親が違う)
《花瓶に入ったチューリップとダリア》1645-1650年頃
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《ガラスの花瓶に入った花束》1650-1660年頃
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どちらも小品ですが、細かく描き込まれています。

ヤン・ブリューゲル2世の息子、ピーテル・ブリューゲル1世のひ孫となる
ヤン・ピーテル・ブリューゲル(1628-1664)
《花の静物》1661年
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同じくヤン・ブリューゲル2世の息子、ピーテル・ブリューゲル1世のひ孫
アブラハム・ブリューゲル(1631-1697)
《果物と東洋風の鳥》1670年
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《果物の静物がある風景》 1670年
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一族のブランドが受け継がれていますね。

そして、これスゴイ!!って見たのが、
ヤン・ブリューゲル1世の娘の子、ピーテル・ブリューゲル1世のひ孫となる
ヤン・ファン・ケッセル1世(1626-1679)
《蝶、カブトムシ、コウモリの習作》1659年
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《蝶、コウモリ、カマキリの習作》1659年
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大理石に油彩で描かれていて、まるでホンモノがそこにいるみたい!!

第七章「農民たちの踊り」
「農民のブリューゲル」と呼ばれたピーテル・ブリューゲル1世
農民の日常風景を描いた絵は一族に受け継がれていきました。

マールテン・ファン・クレーフェ
《農民の婚礼(6点連作)》1558-1560年頃

男たちが婚礼へ向かう行列。3番目の男が花婿かな。
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こちらは花嫁の行列。花嫁はすぐわかりますね。
二人の子どもがドレスの裾を持っています。
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婚礼のプレゼントを持ってきたところのよう。
ちゃんと記録している人がいますね。
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花嫁が座っているテーブルの手前で、
赤ちゃんにおしっこさせてるじゃないですかww!!
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宴もたけなわ
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初夜のベッドを祝福しているのかな。花嫁が初々しい。
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子どもも生まれたようですが、窓から出ていく男は‥‥間男??
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同じく マールテン・ファン・クレーフェ
《強盗に襲われる農民の夫婦》1570-1577年頃
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緊迫の場面ですね。なんか映画でも見ているよう。
命乞いをする妻、この後どうなったのか‥‥?
当時はこんな事件が農村のあちこちであったのでしょうか。
1570年頃っていうと、日本でも戦国時代ですが。

ピーテル・ブリューゲル1世が下絵を描き、
ピーテル・ファン・デル・ヘイデンが彫版した《春》1570年
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庭を作っているところを見に来た奥方でしょうか。

ピーテル・ブリューゲル2世《聖霊降臨祭の花嫁》 1616年以降
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この作品だけケースに入って展示されていました。

この展覧会、キャプションにブリューゲル一族には
子や孫って表示もつけられていてわかりやすかったです。
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そして最後に、チラシにも使われている
ピーテル・ブリューゲル2世《野外での婚礼の踊り》 1610年頃
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花嫁さん以外の女性は“慎ましく”頭巾を被っているのが
当時の風俗だそうですね。髪飾りをつけて髪をおろした花嫁さん、
あまり嬉しそうでないのがちょっと気になるところでもあります。
皆、小太りで、現代だったらメタボっぽいけど‥‥
あと、やっぱり男性の股間が気になる(笑)
手を取り合ってダンスをしたり、抱き合ったり、
おおらかに生を謳歌する農民たちのパワーを感じます。

CGでこの作品が動く映像もあって楽しかった。

ショップも充実していました。

図録は表紙が《野外での婚礼の踊り》と、
《机上の花瓶に入ったチューリップと薔薇》と2種類ありました。
どちらも中身は同じで税込2,200円 迷ったけど購入しませんでした。

《野外での婚礼の踊り》が箱に描かれたゴディバのクッキーを
お土産に買いました。税込1,188円
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さすがゴディバだけあって美味しかったし、
金色のロゴも素敵な紙バッグに入れてくれました。

ショップの出口にガチャガチャが並んでいたので、
小銭があったらやってみようかと財布みたら、1回できたので(400円)

ヤン・ファン・ケッセル1世《蝶、コウモリ、カブトムシの習作》を
モチーフにしたキーホルダー
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カブトムシをゲットです!

150年にわたって受け継がれていったブリューゲル一族のこと
16-17世紀フランドル絵画の細かい描写で、画面のあちこちを見て
当時の風俗を知ったり、人々の様子にクスッと笑ったり、
おまけに写真撮影までできて、とっても満足wwな展覧会でした。

ブリューゲル展のチケットで、豊田市美術館の他の展示も見ることができて、
そちらもとても良かったので、それは次の記事で!

豊田市美術館: https://www.museum.toyota.aichi.jp/
ブリューゲル展公式HP: http://www.ctv.co.jp/event/brueghel/


--過去記事--
2016年11月、ピーテル・ブリューゲル2世の絵を含む展覧会を見たこと
岡崎市美術博物館「ブリューゲルとバロックの巨匠」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-12-01

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